【ハスクバーナ スヴァルトピレン401 vs トライアンフ スクランブラー400X 試乗記】独断と偏見で2車を比較!バイクブロス的ガチンコライバル対決!

掲載日:2024年12月12日 試乗インプレ・レビュー    

写真/川上 礁太 取材・文/小松 男

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HUSQVARNA SVARTPILEN 401 vs TRIUMPH SCRAMBLER 400X

2モデルを比較することで、どこがどのように違うのか、またどのようなライダーに似合うキャラクターなのかを探るこの企画。今回は普通自動二輪免許で乗ることができるインポートモデル、ハスクバーナ・スヴァルトピレン401とトライアンフ・スクランブラー400Xを乗り比べてみることにした。スクランブラー400Xはニューカマー、スヴァルトピレン401はフルチェンジを果たしたばかりのホットなモデルだぞ!

普通自動二輪免許クラスの”外車”がイマ熱い!!

今回の対決(比較)企画は、トライアンフのモダンクラシックシリーズの末弟として今年追加されたスクランブラー400Xと、個性的なスタイリングがワカモノを中心に大ウケしたハスクバーナのスヴァルトピレン401です。

現在はハーレーダビッドソンやBMWモトラッドなども含め世界中のプレミアムモーターサイクルブランドから普通自動二輪免許クラスのモデルがラインアップされており、マーケットは激戦区と化しています。

令和ライダーにはピンと来ないかもしれませんが、これは凄いことなのですよ! 僕が普通自動二輪免許(中型自動二輪免許)を取得した頃の海外メーカーは一部を除き大型モデルがほとんどであり、しかも大型自動二輪免許は厳しい一発試験の限定解除という方法でしか取れなかったため、”外車”は本当に敷居が高かったのです。

その後、教習所でも大型自動二輪免許を取得できるようになり外車もかなり身近になりましたが、大きく潮目が変わったのはKTMからスモールデュークシリーズが登場した頃だと思います。それに続いてBMWモトラッドからはG310シリーズが発表され、ロイヤルエンフィールドの350シリーズなども国内に再上陸を果たしました。ハーレーダビッドソンまでも普通自動二輪免許クラスのモデルを投入した今、最注目カテゴリーの一つになっているのです!

“NANIMONO”感が溢れ出るスヴァルトピレン401と
大型モデルと比べても見劣りしないスクランブラー400X

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スクランブラー400Xは割と大柄な車格とされていることがポイントの一つです。スヴァルトピレン401よりも一回り大きく思えるうえ、上位モデルにあたるスクランブラー900などと並べても見劣りすることはありません。

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835mmと高めに設定されたシート。177cm、71kgのライダーが乗っても小さく見えることはありません。それに対して車重は180kgに抑えられているので取り回しは意外なほど楽に行うことができます。

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スポークホイールやそれに合わせるブロックパターンのタイヤなどから、ストリートトラッカー的なスタイリングにも見えるスヴァルトピレン401。2024年モデルではフルモデルチェンジが行われており、スタイリングのみならずエンジン、フレーム、足まわりすべてにおいて一新されています。

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決して小さいバイクではないのですが、デザイン的にコンパクトにまとめられていることもあり、スクランブラー400Xと比べるとライダーに対して車両が小さく見えます。ただライディングポジションは塩梅が良く、ヒラヒラと気持ちよいスポーツライディングを楽しめる設定です。

あるバイク情報総合サイトを閲覧していたところ2024年12月現在、インポートブランドの~400ccバイク人気ランキングにおいてスヴァルトピレン401が首位となっていました。ちょっと前まではハスクバーナという社名すらあまり認知されていなかったように思えますが、瞬く間にその名を世間に広めた立役者がスヴァルトピレン401というわけです。初代モデルが登場したのは2018年で、2024年モデルで満を持してフルモデルチェンジを受けました。

トータルデザイン的にはキープコンセプトですが、エンジンは398.7ccまで排気量を引き上げたほか、新設計のフレームやスイングアームを採用しており、リアサスペンションを車体の右側にオフセットすることで足つき性を向上、さらに燃料タンク容量を拡大するなど、全く別物に生まれ変わったと言っても過言ではありません。

デザインに関しては賛否両論ありますが、個人的には「NANIMONO(ナニモノ)!?」という印象を強く感じますし、他のモデルには無い独特な世界観は好きです。

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スポークホイールやブロックパターンのタイヤからはオフ車的なイメージも連想してしまいますが、前後17インチのタイヤサイズや、フロントフォークのキャスター角などから受けるライディングフィールはロードスポーツバイク的。軽量コンパクトなのでビギナーや女性ライダーでも扱いやすいと思えるでしょう。

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スクランブラー400Xはスヴァルトピレン401と比べると重厚な乗り味です。ライディングポジションが全体的に広いことや、フロント19インチ、リア17インチのタイヤサイズも大きな要因となっています。キャラクター的にはスポーティというよりもワイルドという印象です。

スクランブラー400Xは2024年春に新登場したモデルです。トライアンフの歴史を遡れば小排気量モデルも存在したことはありましたが、近代においては初の普通自動二輪免許クラスであり、ロードスタースタイルのスピード400と同時発表となりました。

トライアンフにはトリプルエンジンを搭載するスポーツモデルやタイガーのようなアドベンチャータイプがありますが、スクランブラー400Xやスピード400が属するモダンクラシックシリーズは長年人気がありました。

これまでは大型モデルしかなかったために、”いつかはトライアンフに乗るのだ!”と夢を語るライダーも多かった中で普通自動二輪免許クラスのモデルが登場したこともあり、今シーズン大きな注目を浴びた一台となりました。

価格面に置いても78万9000円とプレミアムモーターサイクルとしては手を出しやすい設定となり、リターンライダーやワカモノの間でヒットモデルとなっています。キャラクターは上位モデルにあたるスクランブラー900に追随するクロスオーバー的なものとなっていますが、十分なパフォーマンスを持ちつつも扱いやすいエンジン特性や、大柄とはいえスクランブラー900と比べると多少コンパクトな車格などから、よりストリートライクな印象を受けます。

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両車ともにDOHC水冷シングルエンジンを搭載。しかも89×64mmというボアストロークも同じ。ですがスプロケやギア比の関係から乗り味は結構異なります。スクランブラー400Xのエンジンはフィンがつけられておりクラシックな雰囲気、対してスヴァルトピレン401のエンジンはモダンでスポーティな印象ですね。

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興味深いのは両車の足まわりで、未舗装路走破性能を考えたF19/R17インチのタイヤサイズセットとされたスクランブラー400Xがキャストホイールなのに対し、F17/R17のタイヤサイズでロードスポーツよりのキャラクターとなっているスヴァルトピレン401がスポークホイールでブロックパターンタイヤを採用しています。

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シートを比べてみると、まず高さはスクランブラー400Xが835mmなのに対しスヴァルトピレン401は820mmで15mm低い設定です。ライダー側とピリオンシートがセパレートとなっているのは共通。スクランブラー400Xはタックロール風のクラシックなデザイン、スヴァルトピレン401のグラブバーはウイングにも見える高さ&形状となっています。

乗って納得まったくの別物!
どちらが自分に合っているか見極めが肝心!

スクランブラー400Xを走らせると、さほど車重が重いわけではないのですが、しっかりとした感触が体全体に伝わってくる印象です。特にハンドルのセット位置が高く、スタンディングポジションも想定していることが良く分かります。ただそのハンドルの高さや広い幅が、小柄なライダーだと少々ライディングポジションが広すぎると思ってしまうかもしれません。

でもストリート、高速道路、オフロードとステージを問わず快適な乗り心地を楽しめるので、休日にはロングツーリングも楽しみたいという使い方には適しています。エンジンは十分なパワーがあり車体をグイグイと前へと押し出してくれますし、ハンドリングも素直で乗りやすいと思えるものです。内側の足を出さずともリーンアウト気味に乗ると気分も高揚します。

一方のスヴァルトピレン401はシャープでソリッドな乗り味です。低回転域から元気の良いエンジンはスロットル操作にリンクして回転計の針がピュンピュン跳ね上がり、さらにアップ/ダウン両方向に対応したクイックシフターも装備しているので、ストレスないスポーツライディングを楽しめます。

従来モデルと比べると現行モデルのハンドル位置が高くなっているのですが、それでもスタンディングポジションをすることはあまり意識されていない位置にセットされており、その分コーナーを攻めるような走りに対応している印象です。前後17インチのタイヤサイズなので現代のロードスポーツの基本的なライディング操作を体得できる一台になっています。

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ハンドルのセット位置や幅、垂れ角などにより、両車のキャラクターの違いが大きく感じられるものとなっています。それとスクランブラー400Xはシンプルなスイッチボックスとなっていますが、ライディングモード切り替えをはじめ車両の状態などもチェックできるスヴァルトピレン401のスイッチボックスは様々な操作ができるものが採用されています。

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クラシックなスクランブラー400Xと近未来感溢れるスヴァルトピレン401、まったく別の方向を目指してデザインされており、燃料タンクの形状はそれを如実に表すものとなっています。でも、燃料タンク容量はどちらも13L。これだけ見た目が違うのになんだか不思議に思えます。

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アナログタイプの速度計を採用したシンプルな雰囲気を持たせたメーターのスクランブラー400Xに対し、フルカラーTFT液晶でガジェット好きの心を鷲掴みにするスヴァルトピレン401のメーターディスプレイ。各モデルのキャラクターの違いを色濃く感じるコクピット周りです。

どちらのモデルもオンリーワンな存在!
ライバルは同門モデルとなってしまう!?

スクランブラー400Xとスヴァルトピレン401を乗ったり眺めたりと色々と比べてみましたが、はっきり言ってしまうと全然違う乗り物であり、この2台を均等に比べることは少々無理があります。逆に言えばそれぞれ他には無いキャラクターなのでライバル不在であるのかもしれません。

強いて言えばスクランブラー400Xは同時に登場したスピード400、スヴァルトピレン401は同じフレームやエンジンなどを使っているKTM 390DUKEあたりでしょうか。これらの普通自動二輪免許クラスのモデルが増えてきたことは、それを選ぶライダー側として考えると喜ぶべきことです。購入を考えている方は新車、中古車なども含め、色々と検討してみると楽しいと思いますよ。

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”どっちが良い”という判断をすることは難しいですが、一つだけ言えることは、どちらもライバル不在であるということでしょうか。スクランブラー400Xに関してはスクランブラー900の血脈を感じる仕上がりとなっていますし、スヴァルトピレン401は従来モデルから大きく変わっていました。

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