掲載日:2018年11月27日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/田宮 徹
1978年のデビュー当初から一貫して、キックのみの始動方式にこだわるFI仕様の空冷単気筒エンジン。シリンダーヘッドの右側上部には、ピストンが圧縮上死点にあることを見極めるキックインジケーターを装備している。
エンジン左側前方下部には、燃料タンクから蒸発したガソリンが外気排出される量を低減するキャニスターが、今回の改良時に追加された。黒い筒状のパーツだが、SR400ならメッキ仕上げで目立たせてもカッコよさそう……。
空冷単気筒エンジンは、底部にオイルパンを持たないドライサンプ式で、スチール製フレームの一部をオイルタンクとして活用している。そのため、燃料タンク前方のフレームネック付近に、エンジンオイル注油口がある。
前後フェンダーはスチール製で、クロームメッキ仕上げにより質感を高めてある。前後ホイールは、ワイヤースポークタイプの18インチ径。フロントブレーキはシングルディスク式で、正立フロントフォークにはブーツを備えている。
リアブレーキは、レトロなドラム式を継承。クロームメッキ仕上げのマフラーは今回の改良時に変更を受け、ハニカムセル数増加などによる触媒の仕様見直しと、低音と歯切れのよさをテーマとした音質改善が図られている。
コンベンショナルなリアツインショックを採用。ベーシックな設計だが、プリロードの5段階調整機能は装備している。左側のリアショック上端付近に、ヘルメットホルダーを搭載。チェーンガードもクロームメッキ仕上げだ。
レトロなスタイリングを、細部にまで残すのがSR400の魅力。エンジンキルスイッチは、往年のヤマハファンにはとても懐かしいデザインだ。なお、古風なスイッチ形状を継承しながらハザードランプ機能も与えられている。
もちろん、左側のスイッチボックスもレトロスタイル。その下側には、エンジンのキック始動時に圧縮を抜くためのデコンプレバーを装備している。ハンドルグリップも、硬質なフィーリングのオールドデザインでまとめてある。
メーターは2眼式で、左側に160km/hスケールの指針式速度計、右側に7,000回転からレッドゾーンとなる指針式タコメーターを配置。スピードメーターに埋め込まれたオド・トリップも、レトロ感を高めるアナログ表示式だ。
デザインが見直されたフラットタイプのロングシートを採用。左右一体型のスチールパイプ製グラブバーは、クロームメッキ仕上げで質感を高めながら、シートやテールセクションとともにレトロイメージの向上に貢献している。
灯火類に現代的なLEDは採用せず、ハロゲンバルブで味のあるルックスに。大きな丸型の前後ウインカーは、従来型とデザインイメージを共通化させているが、じつは薄型のボディ&レンズを採用した新作に変更されている。
サイドスタンドに加えて、メンテナンス時や路面状況に不安がある場所での駐車時に役立つセンタースタンドを標準装備。おかげで、ドライブチェーンの清掃や注油、手間がかかる前後スポークホイールの清掃がしやすい。
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