【ヤマハ SR400試乗記事】発売40周年で再々復活。極低速域での粘り強さが光るエンジン

掲載日:2018年11月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

ヤマハ SR400 試乗インプレッション

レトロなアナログ機械感が
ライダーに心地よさを提供

ヤマハ SR400の試乗インプレッション

久しぶりにまたがるSR400は、ビッグバイクに慣れ親しんだ筆者には、とてもコンパクトな印象。167cmの身長でも両足の裏がべったり接地し、バーハンドルは幅が少なめ。「こんなに小さくなかったはず!」と、思わずタブレットPCを取り出してスペックを調べたが、車重が1kg増えていて、最低地上高が10mm低減されているものの、車体全長やホイールベース、シート高は従来型と同じだった。

エンジンのキック始動という、初心者や女性のライダーにはハードルとなる要素はあるが、車格に関しては非常にとっつきやすい。さらに、2016年2月発売モデルよりは2万1,600円アップながら2010年モデルと比べたら5,100円ダウンとなる、57万2,400円という車体価格も、この時代の400ccクラス新車としては魅力的だ。

エンジンのキック始動は、慣れてしまえばそれほど難しいものではない。まずスタンドを掛け、ギアがニュートラルになっていることを確認。メインキースイッチをオンにする。次に、エンジン右側に装着されているキックペダルを約90度回転させて、右足で踏み込める位置に。そして、左側ハンドルスイッチの下側に装着されているデコンプレバーを握る。このレバーは、エンジンの圧縮を抜くためのもの。普通は、エンジン停止状態でキックペダルを踏むと途中で重くなるのだが、デコンプレバーを握った状態なら軽く踏み込める。

ヤマハ SR400の試乗インプレッション

そして、エンジンのシリンダーヘッド右側にあるキックインジケーターの窓を覗きながら、キックペダルをゆっくり動かす。するとインジケーター内に、シルバーのマークが時々現れる。このマークがある位置が圧縮上死点。マークが登場したら、キックペダルから足、デコンプレバーから手を離す。これで、エンジン始動に向けた事前儀式は完了だ。

圧縮上死点を出すところまでたどり着いたら、あとはキックペダルを踏み込むだけ。このとき、ペダルを下に蹴るように浅く踏んでしまうと、ほとんどの場合はエンジンが始動しない。コツは、クランクを回転させるイメージを持ちながら、一番下までしっかり踏み切ること。ある程度の勢いは必要だが、これを守ると意外なほど簡単にエンジンが目覚める。もし失敗したら、焦らず圧縮上死点を出すところからやり直せばよい。

文章に書くと長いが、一連の始動作業は、慣れてしまえば10秒も必要としない。しかも、フューエルインジェクション化された現行モデルは、比較的始動性に優れている。さらに言うなら、この「ちょっぴり手間がかかる」ところが、アナログな機械を操るというSR400ならではの楽しさにつながっている。

ヤマハ SR400の試乗インプレッション

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