スズキ GSX-R1000 ABS(2015)の詳細写真
2012年型ではエンジンの圧縮比を12.8:1から12.9:1へ高め、燃焼効率と中速域での加速感を向上。ピストンの強度と耐久性を維持しながら軽量化を実現、カムプロフィールを最適化するなど、2011年型と同等の最高出力を維持しつつ、さらにサーキット性能をアップ。燃費も向上させた。
フロントブレーキにはブレンボ製ラジアルマウントモノブロックキャリパーを採用し、強力かつリニアなタッチを実現。サンスター製ディスクには耐熱ステンレス鋼を使用し、ディスク厚を5.5mmから5.0mmへと軽量化しつつ強度と耐久性を維持。今回試乗したのはABS仕様。
リアブレーキはニッシン製キャリパー&シングルディスクの組み合わせ。スイングアームは3つのアルミ合金セクションを溶接した仕様で、マフラーの逃げを作るためにアーチ形状となっている。
2012年型から継承する現行モデルでは、2007年型以来2本出しだったマフラーを1本出しに変更することで大幅に軽量化。コーナリングや左右の切り返しなどで、よりシャープなハンドリングを実現している。
ウインドプロテクションに優れる大きめのカウルが印象的。縦2灯ヘッドライトの左右下側に見えるのは、ラム圧過給によりピーク時での出力向上を図るSRAD(Suzuki Ram Air-Direct)のエアインテーク。最も吸気効率の良いフロントノーズの中央ラインに配置されている。
ボリューム感のあるフロントに比べて、コンパクトかつシンプルに絞り込まれたデザインのリアまわり。テールランプにはビルトインタイプの小型LEDコンビネーションライトを採用。 ターンシグナルはカウル上面まで大きく切込んだシャープな形状となっている。
車体構成をコンパクトにしながらタンク容量は17.5リットルを確保。タンク後端部は絞り込まれ、上面にはエッジを設けるなどスポーツライディングでホールドしやすい形状となっている。タンク前方部分は樹脂製のタンクカバーが採用され軽量化にも貢献。
シートはスポーティさを追求しつつも快適な大きさとクッションの厚みをキープしているのがGSX-Rの伝統。ピリオンシートもタンデムに耐えられる十分なスペースを確保。2012年型からシートレザーも新しくなり、滑りにくい加工が施されたタイプとなった。
ステップバーは2種類のローレットが刻まれて先端に返しが付くなど、ステップワークしやすい形状が特徴的。標準位置の他、14mm後方または14mm下方にも移動可能。
SHOWA製ビッグピストンフロントフォーク(BPF)を採用。直径φ39.6mmの大径ピストンをインナーチューブ内に設けることで、フォーク内のフリクションや圧力変化を抑制し、路面追従性をアップ。ライダーへの高いフィードバック性を実現している。
様々な走行状況において、3種類のモードからライダーの好みによって出力特性を選択できるS-DMSを搭載。左グリップ部分前方に備えられたモード選択スイッチを、人さし指と親指の2つのボタンで簡単に操作することができる。
スポーティな印象のブラックタコメーターパネルを採用。液晶部分には速度の他、距離、トリップ、時計、水温、油圧警告、ギアポジション、S-DMSモードなどを表示。また、右ハンドルバースイッチで操作できるストップウォッチ機能の他、250、500、1,000rpmの3つの段階で点灯タイミングを任意で設定可能なRPMインジケーターを装備する。