

掲載日:2015年10月15日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真・動画/山家 健一 衣装協力/HYOD
スズキGSX-R1000は2001年に登場以来、スーパーバイク世界選手権や全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐など世界のメジャーレースでチャンピオンを獲得してきた名機である。 初期型はGSX-R750をベースにロングストローク化によって排気量を拡大したしたエンジンを搭載し、ミッドレンジに厚いトルクと圧倒的なパワーを武器に、当時先行していたホンダCBRファイアーブレードや、ヤマハYZF-R1などのライバルと熾烈な戦いを繰り広げた。
その後エンジンを新作し、S-DMS(スズキ・ドライブモードセレクター)を搭載するなどのアップグレードを重ねて現行の姿になっているが、基本的な車体構成は当初からほぼ継承されるなど、ある意味デビュー当時の面影を残すオーソドックスなスーパースポーツである。栄光の歴史に彩られたGSX-R1000の走りを、いま一度味わってみたい。
今回試乗した2015年型は、2012年にフルチェンジを行なった、6代目GSX-R1000の継承モデルである。熟成を重ねるR1000の目的は一貫して「サーキット性能のアップ」と、ブレることがない。
エンジンは2011年型をベースに圧縮比が高められ、軽量ピストンを採用することで中速域の加速フィールを向上。高回転化に合わせてカムプロファイルも最適化され、燃費も8%向上している。マフラー取り回しも再び1本出しとすることで2kgの軽量化を実現、よりシャープなハンドリングが与えられた。
車体面では、2012年型から世界初となる耐熱ステンレス製ディスクと、ブレンボ社製ラジアルマウントモノブロックキャリパーを新たに採用し、ブレーキ性能とライダーへのフィードバック性能を高めるとともに軽量化も実現。これに伴い、ショーワ製ビッグピストンフロントフォークのセッティングが変更され、初期ストロークにおける吸収性が高まると同時にコーナリング中のライントレースの正確性、コーナーの脱出速度も向上している。また、シートの材質にはホールド感に優れるハイグリップレザーが新たに採用されるなど、細かな部分にも手が加えられている。
これ以外の主な特徴としては、スムーズなシフトダウン操作に貢献するバックトルクリミッター付クラッチ(2011年型を継承)、走行状況に応じて3種類のモードから出力特性を選択できるS-DMS(スズキ・ドライブモードセレクター)も2007年型から継承されている機能だ。なお、最近リリースされた2016年モデルはカラーのみの変更となっている。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!