カワサキ ニンジャ400
カワサキ ニンジャ400

カワサキ ニンジャ400 – “ミドル”ニンジャが待望のフルモデルチェンジ

掲載日:2014年02月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・撮影・文/淺倉 恵介

カワサキ ニンジャ400の試乗インプレッション

カワサキ ニンジャ400の画像

どこにでも行けそうな気軽さが身上
軽快でイージーなハンドリングが魅力

兄貴分のニンジャ1000を思わせるフロントマスクを手に入れ、随分と垢抜けた印象を受ける新型ニンジャ400。スポーツバイクらしい、アグレッシブなイメージは個人的には好ましい。やはり、バイクはカッコ良くなければいけない。その点でニンジャ400は合格。手に入れてみたい、このマシンで走ってみたいと思わせるカッコ良さがある。

マシンに跨がってみると、拍子抜けするくらいポジションがフレンドリーだ。上半身を前傾させなくとも、手を前に伸ばせばハンドルがある。このハンドルがポイント。幅が広くて、角度が絶妙なので、取り回し時に力が入れやすく、とても扱いやすい。日常使用を考えると、これは見逃せないポイントなのだ。足着き性は、高からず低からず。車格を考えれば高めなのかもしれないが、足元がスリムで車重も軽く、ハンドルを使って手で車体を支えることもできるので、よほど小柄な体格でない限り足着きで不安を感じることはないだろう。シートは薄めな割にクッション性が良いものの、長時間走行には不安が残る。ステップ位置は自然で、足の曲がりもキツくない。フルカウルのロードスポーツではあるが、ライディングポジションはネイキッド的な馴染みやすいものだ。

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走り出して気になるのは、やはりエンジンのキャラクター。中低速のトルクは期待するほどは強くないが、排気量を考えれば及第点。3,000回転も回っていればクルマの流れに乗るのには十分だ。バックトルクは強めなので、低いギアではスロットルのオン/オフでギクシャクすることがあるかもしれない。そしてこのエンジンの本領は高回転域にある。5,000回転あたりからパワーが盛り上がってくるので、そこからの加速が気持ち良い。軽いパルスを感じさせながら、エキサイティングに回ってくれる。振動は伝わってくるが、上手にチューニングされており不快なものではない。排気音はとても静かで、運転中に聞こえるのはほぼメカノイズのみ、排気音はほとんど聞こえない。社会的には許されないことかもしれないが、もう少し音の元気が良ければ…と、思ってしまったほど。

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速く走りたいのなら、7,000回転から上を使いたい。その領域ならば、回転上昇は穏やかだがスピードのノリはなかなかのもの。高回転域でもレスポンスはそれほど鋭くはないので、誰にでも全開が楽しめるだろう。9,000回転を超えると、レッドゾーンの手前でさらに“もう一伸び”するので、是非とも味わっておきたいところ。

このように、ニンジャ400は高回転型エンジンだ。ツインと言うと低速トルクの力強さを想像するものだが、全てのツインにそれが当てはまるわけではない。カワサキは、昔からツインスポーツを作り続けてきているが、そのほとんどのエンジンに180度クランクを採用してきた。ツインエンジンはクランクの爆発間隔を変えることで様々な特性を持たせることが可能だが、その中で、最も高回転向きとされているのが180度クランクであり、カワサキのツインは、走りのツインなのだ。

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回して走れば十分に速い。だが、高回転ばかりを使っていると、乗り手が疲れるのも事実。もう少し中速域のトルクが太ければ…とも感じてしまうが、そこに見えてくるのが、兄弟モデルであるER-6fの存在だ。ニンジャ400は、輸出専用車のER-6fから派生した国内専用モデル。ER-6fの排気量は650ccでパワーには余裕がある。このマシンは650ccエンジンを搭載して、完成形になるのかもしれない。

とは言うものの、ベースマシンよりパワーが小さいことも、大きなメリットがある。それは車体に余裕があること。基本設計を共有するフレームは、キャパシティが大きく、ニンジャ400のパワーを十分に受け止めてくれる。車体に余裕があり、その上で軽いので、乗り手は安心してマシンを振り回せる。コーナーは実にイージーで、曲がりたい方向を向けば、マシンもそちらに進んでくれる。ハンドリングはとても軽快だから小回りも得意。ここで、また幅広ハンドルのメリットが出てくる。押さえ込みやすく、ハンドルの切れ角も大きいので、Uターンが実に簡単なのだ。Uターンが苦手な人は是非一度、ニンジャ400に乗ってみて欲しい。細い道に入っていくのが怖くなくなって、行動半径が広がるに違いない。

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実はコレ、凄く重要なことなのだ。扱いやすいということは、バイクに乗ることに躊躇がなくなる。その分、乗る機会が増えるし、乗っていても気を遣わないから、より楽しい。今まで、通るのをためらっていた道に入っていく気になれるなら、今まで出会えなかった景色を見つけられるかもしれない。ニンジャ400はそういう気にさせてくれるキャラクターだ。「バイクは自由な乗り物」とはよく言うが、その中でもとくに自由な1台。それがニンジャ400なのだ。

カワサキ ニンジャ400の詳細写真は次ページにて

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