モトグッツィ 1200 Sport 4V ABS
モトグッツィ 1200 Sport 4V ABS

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABS – グッツィらしさに走りの魅力を求めたモデルにABSを装備

掲載日:2014年01月09日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの試乗インプレッション

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの画像

「洒落たイタリアン」と「旅の相棒」
味わい深いふたつの顔を持つ

1200スポルト4V ABSは、乗っていて“豊かな気分にさせてくれる”マシンである。まず見た目がゴージャス。試乗したのがトリコロールに彩られた“コルサ”カラーだったこともあるが、とても艶やかだ。エルゴノミクスと造形美が融合した、流れるようなフォルムもまた見事で、まるでグラマーな美女を眺めている気分になる。

進化した“クアトロバルボーレ”は、回転はよりスムーズになっているが、縦置きVツイン独特の、タンクまで横揺れするような鼓動感や腹に響く図太いエンジン音は従来どおり。スロットルオンで車体が右に傾ぐトルクリアクションは相変わらず強烈で、思わず心の中でニンマリしてしまう。こういったクセを含めた伝統を頑なに守り続けるモトグッツィというメーカーには、心から拍手を贈りたくなる。その一方で“CARC”搭載のシャフトドライブは、リアが持ち上がる方向でのリアクションを最小限に抑え、極低速での安定にも関与してくれている。SOHC 4バルブになったとはいえ、やはり基本は高回転までぶん回して楽しむエンジンではなく、ゆとりの排気量を生かしつつ、トルクが太る4,000~5,000rpm辺りで流すのがいい。それでも十分速いし、鼓動の打ち方がちょうど気持ちいいのだ。良くも悪くもこの“主張するエンジン”が好きな人にとっては、この上ない魅力になっていると思う。

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの画像

ハンドリングはちょっとクセがある。極低速では重く、切れ込み傾向も強く出るので、混雑した街中などは正直なところあまり得意ではない。シートがえぐられていて足着きはかなり良いが、重量もあるのでグラッときた時が心配。乾式単板クラッチのデリケートなつながり加減も含めて、あまり渋滞路は走りたくないところだ。速度を増すほどにツアラー的なハンドリングで、縦置きクランク特有の倒し込み初期の軽さはあるのだが、全体としての身のこなしは穏やか。コーナリングはある程度速度を上げて、ちゃんと車体を傾けて曲がったほうが、立ちの強さも収まりバランスがとれてくる。前後サスペンションは動きがソフトで乗り心地は快適だが、ハイスピードではしっとりと安定してくれるタイプだ。

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの画像

今回、忘れてはならないのがABSを新に装備したこと。サスペンションが沈み込む分、強くブレーキングするとけっこう早めに作動し始めて制御もやや粗めだが、安心感は絶大。これだけのパワーと重量があれば、もはやABSは必須だと言ってもいいと思う。また、ミニカウルも高速走行ではかなり役立つし、オプションで搭載されていたトップケースも、身の回りのモノをガサッと詰め込むには便利だ。

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの画像

1200スポルト4V ABSをトータル的にみると、高速道路を使ったツーリングや、スケールの大きなワインディングが得意なステージだと思う。都会派の洒落たイタリアンバイクという顔も持ちつつ、旅バイクとしても頼もしい相棒になってくれそうだ。そして乗るほどに、きっとモトグッツィだけの味わい深い世界が広がるはずだ。

モトグッツィ 1200 Sport 4V ABSの詳細写真は次ページにて

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