

掲載日:2013年12月19日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真・動画/MOTOCOM 衣装協力/HYOD
存在感のあるエンジンは新設計のノートン社オリジナルで、排気量 961cc空油冷並列2気筒OHV2バルブのドライサンプ方式を採用。バランサーシャフトやカセットギアボックスを搭載するなど現代的な機構も備える。
フロントブレーキはフローティングタイプのφ320mmダブルディスクと4ピストンキャリパーを装備。マスターシリンダーを含め、前後ブレーキシステムはブレンボ製で統一されている。フロントフォークはオーリンズ製正立タイプでもちろんフルアジャスタブル。
リアブレーキにもφ220mmシングルディスクと2ピストンキャリパーを採用し、確実な制動力を確保。前後マスターシリンダーはリザーバータンク一体型のブレンボ製“Gold Line”が奢られるなど、細部まで抜かりはない。前後ホイールはクロームメッキの輝きが美しいワイヤースポーク仕様となっている。
"スチール製チューブラーフレームは、ノートンの十八番とも言える“フェザーベッド”タイプではなく、アンダーループとバックボーンの間にがっちりとしたクロスメンバーを加えた強化型となっている。エンジン自体をストレスメンバーとして利用するなど、車体剛性はかなり高い。
リアサスペンションはコンベンショナルなツインショックにスチール製両持ち式スイングアームを組み合わせるオーソドックスな仕様。 このオーリンズ製リアサスペンションは、フルアジャスタブルタイプで伸び側と圧側の減衰力、プリロードまで、すべて手回しで調整できる便利なダイヤル式となっている。
マフラーは美しいクロームメッキが施された、昔懐かしいリバースコーン型の2本出しスポーツタイプを採用。かつてのノートンを彷彿させるディテールが随所に散りばめられているが、中身はしっかり現代の基準に対応して、ユーロ3対応電子燃料噴射装置と3元触媒コンバ-タ-を内蔵。
後端が極端に絞り込まれたロングタンクは『マンクス・ノートン』、さらに言うと『トライトン』を彷彿させるデザインだ。昔ながらのノートンのロゴと、かつての『コマンドーJPS』(ジョン・プレーヤー・スペシャル)をモチーフにした金色のピンストライプがアクセントになっている。容量は17リットルで十分なキャパシティを確保。
完全なシングルシートであることがマシンの性格を表している。クッションは薄くソリッドなスポーツ仕様だが、前後移動への自由度は高い。シート高は813mmと標準的だが、絞り込まれたタンクのおかげで足着き性はかなり良い。
タンク同様、ゴールドストライプがあしらわれたシートカウルは、テールランプが埋め込まれたエキセントリックなデザインが印象的。ラウンド形状のデザインはマンクス・ノートンのようでもあり、また最新型マン島TTレーサー『SG1』の要素も見て取れる。
ドライサンプ式のエンジンを採用するため、メインフレームがオイルタンクも兼ねた構造になっている。写真は燃料タンク前方のメインフレームに設けられたオイル給油口。エンジン前面にはオイルクーラーも装備される。
ステップバーは左右ともペダル同軸タイプとして操作性を向上。なお、バーは可倒式だが、車体の外側へやや張り出しているため、慣れないとステップへ足を置くときについ畳んでしまいがち。シフト機構の“遊び”は大きめだ。
ブラックアウトされたパネルが渋い電子式アナログ式2連メーター。左の速度計はスケール外側がマイル表示、内側がキロメートル表示となっている。デジタル液晶スペースには距離や時計、気温などを表示。アルミ削り出しのメーターステーなど質感の高さが漂う。
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