スズキ V-Strom650 ABS
スズキ V-Strom650 ABS

スズキ V-Strom650 ABS – 「アルペンマスター」の隠された実力とは

掲載日:2013年03月07日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/MOTOCOM  衣装協力/HYOD

スズキ V-Strom650 ABSの特徴

よりスポーティで快適に
各部を見直して正常進化

2003年のデビュー以来、初のフルモデルチェンジとなるVストローム650ABSは、より快適性とスポーティさに磨きをかけている。新開発のエンジンは、カムプロフィールの変更により低中速域のトルクをアップするとともに、メカニカルノイズを低減。クラッチやシフトの操作感を改良している。さらに、ECUのプログラムや吸排気系の見直しにより燃焼効率を向上。最高出力は従来どおりだが、燃費は10%向上している。燃費性能のアップにより、航続距離を維持しつつタンク容量のダウンサイジング(22L→20L)が可能となり、結果として車体のスリム化や軽量化にも貢献するこことなった。

スズキ V-Strom650 ABSの画像

吸気系には前モデルと同様、φ39mmのスロットルボディあたり2枚のバルブを備える『Suzuki Dual Throttle Valve(SDTV)』を装備し、リニアで扱いやすいスロットルレスポンスを実現。10ホールの微粒化インジェクターを採用することで燃焼効率を高めるとともに『TI-ISC(Throttle-body Integrated Idle Speed Control)』を採用することで、冷寒時の始動性や排出ガス低減にも貢献している。

車体は基本的に従来型を踏襲。フレームはアルミ鋳造と押出材で構成される高剛性ツインスパータイプで、前後サスペンションはフロントがインナーチューブ径φ43mmの正立フォーク、リアがリンク式モノショックで、ともに約150mmのストロークが与えられ、幅広い路面状況に対応。ブレーキは軽量・コンパクトな2輪専用設計の電子制御式ABSユニットが新しく採用され、操作性や安全性が増した。

スタイリングはより軽快感とスポーティさが強調され、特にフロント&サイド部分のウインドプロテクション性能がアップし、ライダーへの排熱コントロールと、エンジン冷却性能を考えたデザインになっている。フューエルタンク周り、シート、フレームカバー、グラブバーは、快適性を向上させる造形にリファインされている点も見逃せない。

スズキ V-Strom650 ABSの画像

ライディングポジションはシート高を従来型に対し15mmアップし、ハンドルとステップとの位置関係を最適化。スクリーン上端を30mm後退させることで防風効果を向上するとともに3段階に調整可能とし、ライダーの体型や走行状況に合わせた、より快適なライディング環境を提供出来るようになった。また、リアキャリアを従来のアルミ製から樹脂製に変更して軽量化しつつ、純正トップケースの装着を考慮した構造にするなど、ツアラーとしての積載性も向上。メーターパネルもさらに利便性が高く、コンパクトなデザインに洗練されている。

このように、新型Vストローム650ABSは、従来型の良い部分は残しつつも徹底的に細部が見直され、全体的なグレードアップが図られているのがポイントだ。ちなみに、国内仕様と輸出仕様の違いは、騒音対策のためエンジン前方のエキゾーストパイプ部分が樹脂製カバーに覆われ、2次減速比が異なるといった程度。それ以外はほとんど同じ仕様となっている。

スズキ V-Strom650 ABSの試乗インプレッションは次ページにて

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