

掲載日:2011年12月22日 試乗インプレ・レビュー
リッターネイキッド唯一のV4エンジンは狭角65°で、ベースとなったRSV4シリーズとは、カムシャフトのプロファイルとインジェクションのマッピングが異なる。スロットルコントロールにはライド・バイ・ワイヤを採用。日本仕様は最高出力が106psに抑えられるが、フルパワー仕様では167psを発揮する。
独特な形状のサイレンサーは異径菱形断面。エキゾーストパイプの集合部にバタフライ式の排気デバイスを装備し、低回転時の排気音静粛性を高めてある。
一見RSV4と同形状に見えるフレームはTUONOの専用品。ヘッドパイプは1°寝かされ、エンジン搭載位置は5mm下げられている。ホイールベースは15mm長いが、スイングアームはSRV4と同一。ホイールベースの延長はフレームの設計変更でのみ行われている。
フロントフォークは、インナーチューブ径φ43mmのザックス製倒立フォーク。プリロード、伸側、圧側のダンピングが調整可能なフルアジャスタブルタイプ。
左右非対称形状のスイングアームは、剛性バランスが調整し易いプレス構造を採用。RSV4との共通部品である。
リアショックユニットはザックス製。プリロード、伸側、圧側のダンピングが調整可能なフルアジャスタブルタイプで、車高調整機能まで備えている。
クランプ部の直径を太くし、ハンドルバーの“しなり過ぎ”を防止するテーパーバータイプのパイプハンドルを採用。ダイレクトな操作感を実現している。
シフトロッド先端の樹脂製パーツは、標準装備されるクイックシフター(AQS:アプリリア・クイック・シフト)のセンサー。シフトペダルはエキセントリックカム方式で、位置調整が可能。
フロントブレーキはブレンボ製の対向4ピストンラジアルマウントキャリパーに、グリメカ製φ320mmフローティングタイプのステンレスローターを組み合わせる。ブレーキホースはステンレスメッシュホースを標準装備。
フロントブレーキのマスターシリンダーは、キャリパーと同じくブレンボ製。リザーバータンク別体式で、シリンダーは横置き式。
リアブレーキのキャリパーはブレンボ製対向2ピストンに、グリメカ製φ220mmステンレスローターの組み合わせ。ブレーキホースはフロントと同様にステンレスメッシュホースを採用する。
プッシュキャンセル式のウインカースイッチ上にあるのは、メーターパネル表示や、電子デバイスのセッティング変更に使用するジョイスティック。スイッチボックス下の「+」文字が刻まれているのはATCのセッティング変更に使用するパドルスイッチ。
右側のハンドルスイッチには、スターターボタンとキルスイッチを装備。スターターボタンは、出力マップ切り替えスイッチとしての機能も兼用している。
メーターパネルはアナログ式のタコメーター、デジタル式液晶マルチインフォメーションパネル、各種インジケーターを装備。液晶パネルは標準モードとレースモード、ふたつの表示フォーマットを持つ。写真は標準モードの表示。スピード、オド or トリップ、ギアポジション、水温、時計、出力マップのモード、ATCのモード、最高出力などが表示される。視認性は非常に高い。
液晶パネルにレースモードを表示した場合。ラップタイム、ギアポジション、出力マップのモード、ATCのモード、スピード、水温を表示。ラップタイマーはビーコンレシーバーに対応しており、自動タイム計測が可能だ。また、ほかにaPRC各モードの設定変更画面も存在する。
精悍なフロントマスクは、RSV4とイメージを共有する3連ライトを装備。左右のプロジェクター式ヘッドランプは「HI/LO」常時点灯で光量は十分。中央はポジションランプ。
スリムで鋭角的なフォルムを持つテールカウルは、アプリリアのスポーツバイクに共通するデザインアイコン。テールランプは軽量で消費電力の小さいLEDを採用。ライセンスホルダーやウインカーは一体化したステーで支持されており、一括しての取り外しが可能。
シートはスポーツライディングを意識した形状。スポンジは薄めでダイレクトな操作感を味わえるが、クッション性は弱い。タンデムシートもエマージェンシー用と割り切った方が良いだろう。テールカウルにビルトインされたグラブバーのデザイン処理が秀逸。
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