アプリリア TUONO V4R aPRC
アプリリア TUONO V4R aPRC

アプリリア TUONO V4R aPRC – スーパーバイクを兄弟に持つ過激なネイキッドモデル

掲載日:2011年12月22日 試乗インプレ・レビュー    

スーパーバイクを兄弟に持つ
過激なネイキッドモデル

アプリリアは、イタリアのスポーツバイクメーカーだ。スポーツモデルばかりでなく、様々なジャンルのバイクをラインナップしているが、根底に流れるのはスポーツライディングへのこだわり。ツーリングモデルやスクーターでさえ、他とはひと味違うスポーツ性の高さが感じられる。

しかし、やはりアプリリアらしさが最も顕著に現れているのはスポーツモデル。独自の 65°狭角V4エンジンを搭載するフラッグシップモデル RSV4 シリーズは、過激な運動性が自慢。その実力の高さはレーストラックでも証明済み。市販車ベースで行われるレースの最高峰『ワールドスーパーバイク選手権』で、RSV4 は2010年のチャンピオンを獲得している。その RSV4 の二卵性双生児的な兄弟車が 『TUONO V4R aPRC』 である。TUONOとはイタリア語で「雷」を意味する言葉。その名に恥じない過激な走行性能を誇るネイキッドだ。

アプリリア TUONO V4R aPRCの特徴

安易な派生モデルではなく
TUONO専用に煮詰められた車体構成

TUONO V4R aPRC は、ベースモデルの RSV4 からカウルを取り去っただけの安易なネイキッドモデルではない。マシンのキャラクターを左右する重要部品、エンジンとフレームは専用品が使用されている。

フレームは、一見 RSV4 と見分けがつかないのだが、ホイールベースが 15mm 延長されている。スイングアームは共通部品を使用しているので、長くなった分は全てフレームの設計変更によるものだ。キャスター角も1°寝かされており、トレール量を増大。また、エンジン搭載位置が5mm下げられ低重心化が図られている。RSV4 に比べ、やや安定方向に振った車体構成といえるだろう。

アプリリア TUONO V4R aPRCの画像

エンジンは RSV4 と基本コンポーネンツを共有するが、ハード面ではカムシャフトに専用品を使用している。作用角はさほど変化は無いがプロファイルが異なり、バルブタイミングやオーバーラップ量は全くの別物である。また、インジェクションのマップも TUONO V4R aPRC の専用マップとされる。出力マップは「Trac」「Sport」「Rain」の3種類を装備。

ネーミングにある「aPRC」とは「Aprilia Performance Ride Control」の頭文字をとったもので、これはトラクションコントロールを中心とする、ライディング補助の電子デバイスの総称。トラクションコントロール、ウイリーコントロール、ランチコントロールの3つの基本機能を組み合わせ、あらゆるシチュエーションで最大のトラクションを得られるように作用する。

アプリリア TUONO V4R aPRCの画像

aPRC が介入する “タイミング” と “度合い” は、前後ホイールの回転差、慣性センサーによる車両の動的位置のふたつのデータに加え、スロットル開度から乗り手の求める出力を計算に入れて決定している。通常はスロットルバルブを閉じることでトルク制御を行うが、急激なリアタイヤのスリップなど緊急にトルク制御が必要と判断した場合は、点火タイミングを遅らせることで対応する。非常に複雑で高度な制御を行う、最新のトラクションコントロールシステムである。

アプリリア TUONO V4R aPRCの試乗インプレッションは次ページにて

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