

掲載日:2011年05月02日 試乗インプレ・レビュー
モンスターの方向性を切り拓く
ニュージェネレーション
ドゥカティの最もベーシックなネイキッドモデルとして20年近い年月をかけて進化熟成してきたモンスターシリーズ。その最新バージョンが「モンスター796」である。基本コンセプトは先に発売された兄弟車である 696 や 1100 と同様だが、排気量を 803cc (796ccではない)とした新型エンジンを搭載しているのが特徴だ。
ネーミングから分かるとおり、これは先に発売されたハイパーモタード 796 系エンジンで、スーパーバイクファミリーの 848 系と同じ軽量フライホイールを装備するなど細かい改良が施されている点も見逃せない。また、日本仕様は ABS を標準装備とするなど、安全面の充実にも注目したい。696の扱いやすさと 1100 のパワフルな走りを融合したモデルということで期待は高まるが、その実力のほどはいかがなものだろうか。
ハイパーモタード796系の
新開発エンジンを搭載
アーバンスタイルを主張するドゥカティのエントリーモデルとして根強いファン層を持つ、モンスターシリーズの最新作が 796 である。エンジンは先に発売されたハイパーモタード 796 で投入された新開発の空冷L型2気筒がベース。新型の軽量クランクケースと 848 系の軽量フライホイールが採用された新世代のミドルクラス用パワーユニットである。ボアは 696 と同じφ88mm のまま、ロングストローク化により排気量を拡大。796 というネーミングとは異なり、実際の排気量は 803cc である。
車体は他のモンスターシリーズとほぼ共通で、鋼管をトライアングル状に溶接したドゥカティ伝統の「トレリスフレーム」を主体に、アルミダイキャスト製サブフレームをセットした基本構造だ。ホイールベースやキャスター角などの数値も同じだが、車重は 696 の8kg 増しで 169kgとなっている。日本仕様は ABS 装備であることを考えれば、非常に軽量な仕上がりと言えよう。
足回りだが、サスペンションはフロントにショーワ製φ43mm 倒立フォーク、リアにはプリロードと伸び側減衰力調整機構を備えるザックス製アジャスタブルモノショックを採用。アルミ製片持ちタイプのスイングアームにリンクを介さず、ダイレクトにマウントする方式をとっている。ホイールは 1100 と同じ超軽量アルミ合金製のY字5本スポークタイプで、両持ちタイプの一般的なスイングアーム&ホイールを持つ 696 との外観上の大きな相違点だ。ブレーキシステムはフロントに 320mm ダブルディスク&ブレンボ製4ピストンラジアルマウントキャリパー、リアに 245mm シングルディスク&同じく2ピストンキャリパーを装備し、強力なストッピングパワーと繊細なコントロール性を両立。さらに日本仕様には ABS を標準装備するなど安全性を高めている。また、ライディングポジション関係も改良され、テーパーハンドルバーには従来より 20mm 高いバーライザーがセットされ、快適性とコントロール性を向上。レッドステッチが美しいシートも、エルゴノミクスを取り入れた新デザインとなっている。ちなみにシート高は 696 より 30mm 高い 800mm の設定だ。左右のレバーも改良された新型 696 と同様、4ポイント調整式となったことで操作性が向上、APTC スリッパークラッチの採用により、軽いレバータッチを実現している。
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価格(消費税込み) = 119万円
新世代のミドルクラス用パワーユニットを搭載する、モンスターシリーズの最新作。796 というネーミングとは異なり、実際の排気量は 803cc となっている。
■サイズ = 全長2,114×全高1,079mm
■シート高(空車時) = 800mm
■車両重量(走行可能状態、燃料満タン時の90%) = 169kg(乾燥)
■エンジン = 空冷L型2気筒
■総排気量 = 803cc
■ボア×ストローク = 88×66mm
■クラッチ = 湿式多板 APTC 油圧作動
■ミッション = 6速
■最高出力 = 64kW (87ps) / 8,250rpm
■最大トルク = 78Nm (8.0kgm ) / 6,250rpm
■バルブ駆動 = デスモドロミック
■駆動方式 = チェーンドライブ
■Fタイヤサイズ = 120/70-17
■Rタイヤサイズ = 180/55-17 「ピレリ ディアブロ・ロッソ」
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