スズキ ST250 Eタイプ
スズキ ST250 Eタイプ

スズキ ST250 Eタイプ – インジェクション化で環境問題にも対応

掲載日:2011年03月22日 試乗インプレ・レビュー    

スズキ ST250 Eタイプの試乗インプレッション

スズキ ST250 Eタイプの画像

熟成を重ねた空冷シングルは隠れた実力派
小さな車体は抜群の扱いやすさを発揮

流麗でクラシカルなスタリングを持つ ST250 Eタイプ。ヴィンテージ風味のシングルということでドコドコと強い鼓動感を期待したのだが、残念ながら 250cc という排気量にそれを求めるのは難しいようだ。だが、その分シングルとは思えないくらいにスムーズだし、トルクは実に柔らかく粘る。試しに静止状態から一切スロットルを開かずにクラッチを繋いでみたが、エンストすることもなくスルスルと走り出してしまった。低中速回転域だけが強いエンジンかと思ったが、そうでもない。このエンジンは二面性が面白い。高いギアを使い、低い回転域で流すような走りをする時は持ち前の粘るトルク特性が活きて「トトトト…」と、軽い鼓動が気持ち良い。さらにスロットルを開くとレスポンスは俊敏。実馬力は大きくないので、ビッグバイクのような猛然と加速するわけでないが、高回転域まで引っ張るとなかなかエキサイティングだ。意外にも高回転で真価を発揮するエンジンのようだ。ハンドリングは軽快で良く曲がり、ブレーキの効きも必要十分なので、高回転をキープする走りが出来れば、峠の下りで車重を持て余すビッグバイクを追い回せるかもしれない。

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この ST250 Eタイプの良さは、なんと言っても小柄な車格にある。筆者は身長が 165cm あまりと、平均からするとかなり小柄なのだが、ST250 Eタイプには足着き性や取り回しで一切の不安を感じなかった。シングルならではのスリムな車体、軽い車重が効いている。ただ、ライディングポジションは気にならなくもない。ハンドルが近くステップが前方に位置するため、乗車姿勢が直立に近い。ちょうど背もたれ付きの椅子に、行儀よく座ったような姿勢になる。体重が全てお尻にかかり、長時間走行すると尾てい骨に響くのだ。もっとも、短時間のライディングなら実にラクなポジションなので、その辺りはトレードオフだ。

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また、このモデルに搭載されるエンジンは低燃費であるとの評価が高い。ガソリン価格が高騰している現在、燃費性能は見逃せない。実際に燃費を計測したところ、高速道路で 31.2km/L、一般道では 26.9km/L という結果を得た。これはそれぞれ 100km ほどの距離を実走してのデータである。高速道路では法定速度の維持と一定のスロットルワークを意識したのだが、一般道では燃費云々を意識せず、通常使用でのスロットルワークで走行した。都心部での渋滞走行など不利な条件もあえて盛り込んだ結果なので、燃費走行を意識すれば、一般道でももっと低燃費が期待できるはずだ。

スズキ ST250 Eタイプの詳細写真は次ページにて

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