ホンダ VFR1200F
ホンダ VFR1200F

ホンダ VFR1200F – ホンダ最高技術の象徴が凱旋

掲載日:2010年03月18日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ホンダ VFR1200Fの特徴

ホンダ VFR1200Fの画像

『ランチは300km先の高原ホテルで』
これがVFR1200Fの開発テーマだ

資料によると、VFR1200Fの開発キーワードは『ランチは300km先の高原ホテルで』だったという。短いセンテンスだが、このなかには実に多くのテーマが含まれている。「ランチ」ということは日帰りを意味し、当然往復の走行距離は600km。高速道路利用でタンデムライダーの存在も匂わせる。また、「高原」ということはコースにワインディングも含まれるし、「ホテル」の車寄せにも似合うプレミアム感も追求しなくてはならない。このように、VFR1200Fは洗練されたスポーツ性能と長距離巡航性能、快適なタンデム性能を兼ね備えた大人のスポーツツアラーたることをテーマとしている。

ホンダ VFR1200Fの画像

主役たるエンジンには、数々の新技術が投入された。ホンダのV4といえばDOHCで、振動面で有利な90°のV型レイアウトというイメージが強いが、このVFR1200Fに搭載されたSC63E水冷4ストローク4バルブSOHCエンジンは前後長の短縮やマスの集中など、レイアウト上のメリットを重視して76°のVバンク角を採用。上から見ると前2気筒が外側、後2気筒が内側に位置する左右対称シリンダー配置や28°位相ピンクランクにより、エンジンの雑味となる不快な振動をキャンセルしつつV4らしいビート感を強調することにも成功している。また、左右対称シリンダー配置はライダーがホールドする車体部分のスリム化にも貢献するアイデアだ。高回転高出力化に有利なDOHCにこだわらなかったのも興味深い。吸気バルブをカムによる直押し、排気バルブをロッカーアーム駆動とする「ユニカムバルブトレイン機構(=SOHC)」を採用することで、十分な高回転とヘッドまわりの軽量・コンパクト化を実現。闇雲に既存のハイスペックを詰め込むことなく、むしろ既成概念にとらわれない新発想で運動性の向上という難題をクリアしているところが最新のVFRらしい。

ホンダ VFR1200Fの画像

そのほか、強制的にクランクケース内を負圧状態に保ちポンプロスを低減するMotoGPマシン同様の密閉負圧クランクケースや、ライダーとエンジンのインターフェース向上を目的としたスライディングモード制御のスロットルバイワイヤなど、投入されたエンジン関連の最新技術をあげれば枚挙にいとまがない。また、4分割ダイキャストフレーム、オフセットピボット式スイングアーム、小型ファイナルギアケースによるシャフトドライブ、6POTキャリパーコンバインド ABSなど、車体・足回り関連も最新かつ最高のスペックで武装。各種オプションやトップボックス&パニアケースを装着すれば快適性と利便性はさらに高まるだろうから、300km先の高原ホテルはVFR1200Fの目的地として近すぎると言える。

ホンダ VFR1200Fの詳細写真は次ページにて

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