

掲載日:2009年05月28日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
400ccネイキッドといえば、教習所で乗ったバイク。または、中型免許を取得したばかりの人が何の抵抗も無く、安心して乗ることができるバイクというイメージがあります。そう思っているあなた、400ccネイキッドを侮ってはいけませんよ。私も以前はそのように感じていたのですが、乗れば面白いほどいい意味で裏切られます! 基本、たらたらとしたツーリングが好きなのですが、こんなにもワインディングって楽しいものなのかと改めて実感させてくれるのです。特にこのGSR400は玄人好みとでも言いましょうか、スポーツバイクとして期待に応えてくれる車両です。GSR400が発売されたのは、2006年5月。ヘッドライトやサイレンサーなど、既存の400ccネイキッドにはないデザイン性の高さや、初のインジェクションを搭載するなど、素人目から見ても華々しい登場でした。当時は自主規制上限ギリギリの53馬力。2007年6月に自主規制も撤廃され、GSR400は61馬力へと成長しました。その乗り味は、如何に?
今から約3年前、初代のGSR400で長野方面へ2泊3日のツーリングへ行ったことがあるのですが、キャンプ道具をたくさん詰め込んだバッグを積載しての走行にも関わらず、志賀草津道路のワインディングでの走りやすさに感動したことを覚えています。それまでは「マスの集中化」を体感としてよく分からなかったのですが、バランスが崩れることなく、車両と一体となって走っている感覚を持ちました。いつもはのんびりと流すツーリングの中で「走る」ことへ集中する楽しみを教えてくれたのがGSR400でした。さて、新生GSR400はどうでしょうか。今回の試乗ルートは、東京から伊豆方面へ。GSX-R600で培った技術を投入したエンジンは、同クラスネイキッドが53馬力というなか、61馬力と一歩先を行っています。乗っていて一番快適に感じられる領域は、やはり70~80kmを超えたあたり。その出力特性は、コーナーの立ち上がりなどモタモタしたくない場面でも乗り手の意思が伝わりやすく、次に現れるコーナーに挑もうという気にさせます。もちろん、車線変更の加速はスムーズ。元来、私はかっ飛ばすタイプの人間ではないのですが、高速道路走行中にメーターを見ると、あっという間にウンkm/hまで出ておりました…。バイクに乗り始めてこの方、そんなにスピードを出したことがなかったので、ビックリしましたねぇ。それぐらいのスピードを出しても、車体はブレることなく「面白い」と思わせてしまうのが、ある意味怖いですね。まぁ、免許が無傷だったのは、運がいいとしかいいようがありません。
私のような中級者が回せて面白いと感じられるのは、400ccクラスだと思うのですが、GSR400は「面白い」の先にある「走りの技術」を向上させようとする力があります。もちろん、パワーのある車両ですから、普段はリッタークラスに乗っている方でも、十分に楽しめるとは思います。走行中、気になったのはリアサスペンションが硬いこと。セッティングの問題だと思うのですが、小さな凹凸でも跳ねる感じがするので、自分に合ったサスペンションの調整は必要ですね。頭の中で想像した走りを現実に叶えてくれる新生GSR400。馬力のアップとともに、乗り味もより玄人好みへと成長し、同クラスネイキッドとは一線を画する精鋭マシンになったと言えるでしょう。
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