

掲載日:2009年04月30日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
速いのに荒々しさを感じさせないDAEGの洗練されたキャラクターの核となっているのは、やはり先代のキャブレター「KEIHIN CVK36」に代わって搭載されたフューエルインジェクションだと言えるだろう。あっけないほど簡単な始動、エンストとも無縁の安定性はインジェクションとしてはもはや当たり前の性能となりつつあるが、DAEGは開け始めのフィーリングがすばらしい。アクセル開度としては極僅かなものだが、フワッと優しくトルクが立ち上がる領域があり、右手を積極的に動かすことに躊躇しないで済む。そして、敢えてデザイン性を持たせたインジェクション部分は走行中に内腿に触れることがあるのだが、そのトゥクトゥクとした脈動が妙にキャブレター的に感じられるのも面白い部分だ。
デザインに関して言えば、ほぼ先代のZRX1200Rを踏襲していると言えるが、各部のエッジがよりシャープになり、特にフロントマスクには、かつてのNinjaの雰囲気を感じさせる部分もある。見た目のボリューム感とは裏腹に跨ると足つきもよくコンパクト、各部に主張が感じられるカワサキらしいデザインとすることができる。グリップが良く、適切な硬さのシートも実用性を意識したと思える仕上がりだ。これなら長時間のライディングでも疲れや痛みを感じることも無いだろう。そのほか、使いやすい位置に設けられた荷掛けフックや、握りやすい形状のグラブバー、シート下に設けられた大きなユーティリティスペースなど、随所にカワサキならではの工夫が凝らされている。惜しむべくはただ1点、構造上サイドスタンドの掛かりがやや浅いと感じられたことだ。ギアを入れておけば問題ないとは言え、センタースタンドを省略したモデルとしてはやや残念。とは言え、速くてスポーティでありながら毎日乗れるビッグバイクとして極めて優秀であることは確か。スポーツネイキッドの購入を検討しているのであれば、試乗は外せない1台だと感じた。
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