
掲載日:2008年09月16日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
ドゥカティが創業したのは1922年。イタリアの商工業都市ボローニャで、ラジオ部品のメーカーとして出発しました。しかし、第二次世界大戦によってドゥカティの工場は壊滅。戦災からの復旧のために、自転車用の後付エンジン「クッチョロ」の生産を請け負うことになります。これがドゥカティにとって大きな転機となりました。その後、クッチョロを使用したバイクを完成させ、宣伝のためにレースに参戦。次々と記録を塗り替え、一躍本格的なオートバイメーカーへと成長したのです。その後、天才技師ファビオ・タリーニの活躍により、ベベルギヤ駆動のOHCエンジンを搭載したバイクを生産。レースでも好成績をおさめることで世界的なバイクメーカーへと成長していきました。しかし、1960年代に高性能・低価格な日本車が台頭したことで危機にみまわれます。この危機に際し、今につながるOHC Lツインエンジンを搭載した750GTを発表。この新しいLツインはレースでも数多くの勝利を収め、一気に人気マシンとなりました。その後何度か経営危機に見舞われましたが、その度に立ち直り、レースにて勝利を重ねることでドゥカティの名を確たるものにしてきました。2007年には日本メーカーを下してMotoGPのチャンピオンを獲得。レースの最前線で磨かれたLツインエンジンは、今日も進化を続けているのです。
ドゥカティがライバルたちとしのぎを削るMotoGPでの経験をダイレクトに注ぎ込んだのが、ロードゴーイングレーサー「デスモセディチRR」です。2006年のMotoGPを実際に戦ったデスモセディチGP6をベースとしており、デザインや空力特性だけでなく、圧倒的なパワーを誇る4気筒デスモドロミックエンジンまで忠実に踏襲しています。現在市販されているバイクのなかで、もっともGPマシンに近いモデルと言えるでしょう。公道仕様では本来のスペックは抑えられていますが、付属の専用レースキットを使用すれば、200馬力以上のパワーを発揮することも可能です。ただし、デスモセディチRRは限定生産モデルのため、現在はすでに予約が締め切られていますのでご注意ください。
マスプロダクションモデルとして、世界有数のパフォーマンスを持つスポーツバイクが「スーパーバイク」シリーズです。ドゥカティ伝統の鋼管トレリスフレームに、水冷4バルブL型ツインエンジン「テスタストレッタエボリューション」を搭載しており、量産モデルとしてはドゥカティ史上最もパワフルなスペックなっています。MotoGPと世界スーパーバイク選手権で培われたドゥカティのテクノロジーがフィードバックされており、スポーツ走行を楽しむベテランライダーたちもうならせるほどの高性能さが魅力です。ラインナップは1098、1098R、1098Sの3車種が国内に導入され、条件さえそろえば誰でもこのスーパーパフォーマンスを楽しむことができます。ドゥカティを語るなら外せないシリーズといっても過言ではありません。
ドゥカティのラインナップの中核を担うネイキッドマシン、それが「モンスター」シリーズです。1990年代初期にデビューしたモンスターシリーズは、それまでのバイクには無かった個性的なルックスと、ドゥカティならではのレーシーでエキサイティングな走行性能で一躍大人気モデルとなりました。車種設定も豊富で、気軽でイージーなライディングを楽しめる695、大排気量の空冷Lツインエンジンによって、リッターバイクとしてのパワーを体感できるS2R、水冷4バルブエンジンを搭載し、レーシングスペックをストリートで楽しめるS4Rが用意されています。一時期は日本国内専用モデルとして400ccが用意されていたこともあり、一番身近なドゥカティと言えるでしょう。
空冷L型2気筒エンジンを搭載し、前後17インチホイールとしなやかな接地感をもたらすロングストロークサスペンションを装着したオールラウンドマシン、「ムルティストラーダ」シリーズ。ドゥカティならではのアグレッシブなスポーツパフォーマンスと、日常の足としても使える快適性を併せ持っており、峠道やツーリングを楽しむスポーツ性と、コミューター的側面を同時に楽しめるモデルです。幅広いシチュエーションに対応する性能は、ドゥカティのラインナップの中でもトップクラスと言えるでしょう。ベーシックモデルの1100の他、さらなるハイスペックを求めるライダーのために、カーボン外装とオーリンズサスペンションを採用した上位モデルの1100Sが設定されています。
現代のテクノロジーでよみがえったトラディショナルなスタイルのドゥカティが「スポーツクラシック」シリーズです。デザインのベースとなっているのは、天才技師ファビオ・タリオーニにより設計された初のLツインエンジン搭載モデル750GT。スポーツクラシックシリーズでは定評のある1000DSエンジンを搭載し、スポークホイールやスチールマフラーなど当時の雰囲気を感じさせる装備を身にまとっています。また、流麗なビキニカウルを装着したモダンクラシックなスポーツ1000Sも設定されており、こちらは1970年代のカフェレーサーテイスト。ドゥカティといえばどうしてもパフォーマンス重視と思われがちですが、スポーツクラシックを代表とする優美なデザインを忘れないメーカーでもあるのです。
スーパーモタードのスタイルの中に、いかにもドゥカティらしいスーパースポーツ的解釈を取り入れたのが「ハイパーモタード」シリーズです。軽量なボディと幅広のハンドル、高めのポジションに、スーパーバイクとしての最新テクノロジーと圧倒的なパワーを融合。刺激的過ぎるほどの走りをライダーに体験させてくれます。また、よりハイスペックなモデルとして1100Sを設定。こちらはマルケジーニ製のホイールと前後オーリンズサスペンションが装着されており、さらにアグレッシブな性能を発揮します。現在のスーパーモタードカテゴリにおいてもっとも過激なモデルのひとつが、このハイパーモタードシリーズなのです。
独創のデスモドロミックエンジン ドゥカティのエンジンは、90度L型2気筒デスモドロミックエンジンを基本としています。L型2気は筒並列4気筒エに比べてスリムで、振動を抑える一次バランサーが不要なため軽量です。また、バルブを強制的に開閉する独自のデスモドロミックは、エンジンのコンパクト化と高回転域の追従性の向上に貢献しており、ドゥカティのアイデンティティともなっています。 |
| 美しさと機能を兼ね備えるトレリスフレーム 太さの異なる鋼管をつなぎ合わせて作るトレリスフレームもドゥカティの特徴。アルミツインスパーフレームに比べて生産に手間がかかりますが、設計の自由度が高く少量生産向き。必要とされる剛性を確保しながらも重量を押さえることが出来ます。また、合理性に基づいて組み上げられたフレームは一種の機能美を伴っており、ルックスという面でも魅力的です。 |
イタリアン・デザイン ドゥカティの魅力はレースを下地とした高いパフォーマンスだけではありません。デザイン大国であるイタリアが生み出した個性的なスタイルは、他のメーカーでは容易に真似のできないレベルとなっています。モンスターを筆頭する鮮烈なデザインは、一目見ただけでそのバイクがドゥカティと分かるほど、類を見ない個性をもっているのです。 |
| 積極的なレース参戦 ドゥカティとレースは切っても切れない関係です。日本ではバイク黎明期であった1950年代にはすでにレース参戦を行っており、1951年には50ccクラスのワールドレコードをすべて塗り替えているほど。最近では2007年のMotoGPチャンピオンが記憶に新しいでしょう。現在も積極的なレース参戦を続けており、培った技術を市販モデルに還元しています。 |
ハイパフォーマンスなスポーツモデルを主力とするドゥカティを楽しむなら、ワインディングやサーキットでの走行を是非楽しんでみることをおすすめします。レースで鍛えられた走りはエキサイティングの一言です。
ドゥカティはMotoGPをはじめ、世界中のロードレースで活躍しています。メーカー主催のレース観戦ツアーで応援を楽しむこともできますし、愛車でレースに参戦するライダーのサポートも豊富です。
さらなるハイパフォーマンスを追求するためのカスタムパーツが充実しており、レース向けモデルでは専用キットも設定されています。ストリート向けのドレスアップパーツも多く、自由なカスタムを楽しめます。
テクニックを磨くためのスクール、ドゥカティオーナー達交流できるミーティングなどが毎年開催されています。また、世界規模のドゥカティスタ達があつまるワールドドゥカティウィークは圧巻です。
数あるバイクメーカーの中でも、ドゥカティほどレースに注力しているメーカーはほとんどありません。創業時期からレースとともにあり、今も最高峰レースの最前線で戦い続けています。そこで培われたレーシング・スピリッツと先進のテクノロジーは、常に市販車にもフィードバックされており、他のメーカーでは真似の出来ないモデルラインナップとして結実しているのです。また、デザイン面も重視しており、単に速いだけでなく「美しい」バイクが身上。スポーツクラシックなどはドゥカティだからできたスタイルと言えるでしょう。快適や便利さだけで言えば、ドゥカティは不利なメーカーかもしれません。しかし、熱い走りであれば世界でも指折りのメーカーであることは間違いありません。もしエキサイティングなスポーツバイクが欲しいなら、ドゥカティは外せない選択肢ではないでしょうか。
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