KTM 1190 RC8 R

掲載日:2012年06月22日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

KTM 1190 RC8 Rの画像
KTM 1190 RC8 R

Ready to Raceの精神が息づく
KTMロードモデルのフラッグシップ

欧州オーストリアのKTMが2012年にラインナップするモーターサイクルとしては最大排気量で、オンロード系の最強モデルにも当たる、KTM唯一のスーパースポーツモデルが、1190 RC8 Rだ。そもそもこのRC8は、現行990シリーズなどにも使われるLC8に、排気量拡大をはじめとする大幅なモディファイを加えたエンジンを搭載して、2008年型でデビューした。当初の総排気量は1,149cc。そして2010年型では、さらなる排気量拡大や各部の見直し、装備パーツの上級グレード化を図ったR仕様が追加された。2012年型では、この上級版をベースに一部の仕様を見直した、新たなR仕様のみがラインナップされている。

2012年型R仕様に搭載されている、挟角75度の水冷DOHC4バルブVツインエンジンは、かつての標準仕様よりもさらにボアが2mm拡大され、1,194ccの総排気量。単体重量は約62kgに抑えられている。105mmのビッグボアを持つこの高回転型エンジンは、日本仕様の場合は2012年型での最高出力が101馬力とやや控えめだが、フルパワー仕様なら175馬力の高出力を誇る。これを搭載するメインフレームは、クロームモリブデン鋼管を使ったトラス構造。こちらも単体重量が8kg以下と、かなり軽量に仕上げられている。前後サスペンションは、KTMの定番となっているWP製で、もちろん前後ともフルアジャスタブル。フロントフォークは、インナーチューブ径43mmの倒立タイプとなっている。ブレーキは、これまたKTMが多用するブレンボ製。フロント側は、モノブロック構造のラジアルマウントキャリパーとなっている。シート高は805mmと825mmに調整可能だ。

2012年現在、リッタークラスの本格的なVツインスーパースポーツモデルというのは、だいぶ希少な存在となりつつある。KTMのファンばかりでなく、Vツインスポーツ好きにとっても、RC8は注目度が高いモデルといって良いだろう。同社が掲げる「Ready to Race」の姿勢が、しっかりと表現されたRC8で、エキサイティングなバイクライフを堪能してもらいたい。

KTM 1190 RC8 Rのここがポイント!
  • ● KTM唯一のスーパースポーツ設計
  • ● ハイクオリティな足まわりとブレーキ
  • ● KTM市販二輪車最大排気量の水冷Vツイン

KTM 1190 RC8 Rのライバルはこれだ!

  • ドゥカティ
    1199パニガーレ

    2012年型で新登場した、従来型スーパーバイクからすべてが一新されたモデル。フレームはアルミ製モノコック。1,198cc水冷90度Vツインも、超ビッグボアの完全新作だ。

  • アプリリア
    RSV4 R ファクトリー

    アルミフレームに999cc水冷65度V型4気筒エンジンを搭載。4タイプのうちオーリンズ製サスやOZ製アルミ鍛造ホイールを装備したファクトリーは、価格的にRC8と近い。

  • BMW
    S1000RR

    デビュー3年目の2012年型で刷新され、車体ディメンション変更などが施された。999cc水冷並列4気筒エンジンを搭載。プレミアムラインは、レースABSやDTCなども装備する。

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