掲載日:2015年01月06日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/杉山 研二
排気量1,250ccのエンジンを搭載するビッグネイキッドです。高張力鋼管のダブルクレードルフレーム、リアのツインショック、そしてボリューミーなフューエルタンクという古典的な国産ロードスポーツモデルの要素をもれなく取り入れ、1998年に登場しました。以来、基本スタイルはそのままに、現在でもヤマハを代表するモデルの1台として販売され続けています。そして堂々とした外観とともに車両の存在感を大きく引き立てているのは、DOHCの4バルブシリンダーヘッドを持つ質感豊かなエンジンにほかなりません。
エンジンは空冷直列4気筒。空冷エンジンならではの機能美にこだわり続けていることも、このXJR1300の特筆すべき点です。シリンダーとシリンダーヘッドに整然と並ぶ冷却フィンに、モーターサイクルらしさをを感じるユーザーも少なくないことでしょう。またシリンダーヘッドに取り付けられた鈍く輝く4本の太いエキゾーストパイプも、エンジンのパワフルさを物語っています。一方で、当初はキャブレターだった燃料供給が2006年発売のモデルからはインジェクションに変更されるなど、時代とともに進化している部分もあります。
車体のカラーリングについても、変更や新色の追加、限定色の発売などが行われており、2014年11月にシルバーメタリックのニューカラーが登場。この新色は、アルミの素材を思わせるシルバー塗装のタンクに、白地のゼッケンをあしらったグラフィックを施したもの。レトロなレーサーをイメージさせる個性的な外観に仕上がっています。また、ペイントにはヤマハ独自の高品位塗装ミラクリエイトを用いることで、ビッグネイキッドらしい迫力と造形美をさらにきわだたせています。
現在ラインナップするのは、ニューカラーの「シルバーメタリック1」と、継続カラーの「ブラックメタリックX」の2種類。車両のメーカー希望小売価格はいずれも消費税8%込みで111万2,400円となっています。
堂々としたスタイルの車体に1,284ccの大排気量エンジンを搭載した大型ロードスポーツ。市街地から長距離の走行まで余裕を持って楽しめる。
水冷4気筒エンジンをダブルクレードルフレームに搭載するカワサキのビッグネイキッド。フューエルインジェクションを採用し、最高出力は81kW。
低中速からトルクフルで扱いやすい1,254ccの水冷4気筒エンジンを搭載。風防効果の高いハーフカウルを採用する大型ロードスポーツボデル。
初代モデル XJR1200 がデビューしたのが1994年のこと。以来、大排気量の空冷4気筒らしい堂々とした佇まいで人気を博してきました。排ガス等の環境規制が進むなか数々の空冷エンジンが消える運命にありましたが、ヤマハは2006年にモデルチェンジを敢行。それまでのキャブレターに代わって、新たにインジェクションを搭載するなど大幅な改良に踏み切り、シリーズ3代目となる XJR1300 として発売。見事、空冷ファンの期待に応えてくれたのです。
1250cc の排気量は空冷4気筒としては世界最大級。吸気バルブの見直しや電子制御式インジェクションの採用によって、燃焼効率が高められています。この結果、最大トルクは旧モデル比で10%もアップ。同時に、その発生回転数も引き下げられ、低速でも扱いやすいフレキシブルなエンジン特性を得ています。また、一新された「4-2-1」の集合形式を持つマフラーがさらなるパワーとトルクの向上に貢献し、エンジンパフォーマンスを最大限引き出しているのです。もちろん、三元触媒やO2センサーも備え、厳しい排ガス規制をクリアしています。
空冷エンジンのノスタルジックな雰囲気に注目されがちですが、このモデルの真骨頂はスポーティな走行性能にあります。リアサスペンションにはオーリンズ製ツインショックが装着され、しかもグレードの高い別体タンク付きタイプを採用。車重や車体ディメンションに合わせた専用セッティングによりダイレクトなハンドリングを達成しているのです。これに合わせて、フロントサスペンションや前後ラジアルタイヤも専用品として開発され、前後ブレーキには軽量高剛性なモノブロックキャリパーを装備。堂々とした車格とは裏腹に驚くほど軽快な走りを見せてくれるでしょう。
1200cc のモデルも含めれば、中古車の台数はかなり豊富。ただし年式も多岐に渡るため、使用環境による個体差も大きいものと思われます。現車を見て、しっかりとした判断が必要でしょう。(文/伊丹 孝裕)
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