カワサキ ニンジャ300

掲載日:2013年04月24日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

カワサキ ニンジャ300の画像
KAWASAKI Ninja 300

ニンジャ250と基本コンポーネンツを共有しながら39PSのパワーを獲得
軽量な車体によりパワフルなエンジンを搭載し走りの魅力がアップ!

ニンジャ300は、2013年にフルモデルチェンジを果たし、発売直後から大人気を得ているニンジャ250の兄弟車です。生産も同じタイカワサキで行われており、ニンジャ250同様、ABS仕様車も用意されています。両車は車体やエンジンの基本コンポーネンツを共有していますが、ネーミングに “300” とある通り、エンジンの排気量は 296cc に拡大されています。法規制と保険制度の面で、250cc という排気量の縛りと無縁な地域で販売される輸出専用車です。国内での正規販売は現在のところ未定ですから、入手するのなら逆輸入車を選択することになります。

最大の特徴である排気量アップは、シリンダーボアがニンジャ250と共通で、ストローク量が 7.8mm 延長され、ボア×ストロークはφ62.0×49.0mm となります。また、コネクティンロッド長を短縮することで、エンジン高はニンジャ250と同等に抑えられています。気になるパワーですが、最高出力は 39PS/11,000rpm、最大トルクは 2.8kgf・m/10,000rpm とされています。ニンジャ250と比較すると、最高出力で8PS、最大トルクで 0.7kgf・m 上回っていますから、かなりのパワーアップだと言えるでしょう。

エンジンにはニンジャ300専用の装備として、新型アシスト&スリッパークラッチが装備されています。このクラッチは、クラッチハブがスライド式のカムを持った2分割構造です。エンジンが加速状態にある時は、アシストカムが自己倍力装置として作用し、クラッチを強く押し付けます。この機能によって、クラッチスプリングのレートを下げることが可能となり、クラッチ操作時に必要な力が約25%軽減されました。また、シフトダウン時など急激なバックトルクがかかった場合、スリッパーカムがクラッチの圧着力を下げ、リアタイヤのホッピングやスリップを抑止してくれるのです。クラッチ操作が軽く、コーナー進入時やフルブレーキング時のリアのホッピングを抑えてくれるわけですから、一挙両得な、とても有効なライディングアシストデバイスと言えるでしょう。また、従来のスリッパークラッチで、故障の元となっていたダイヤフラム式のスプリングを使用していないのも高ポイントです。

ニンジャ300とニンジャ250は、外見上の違いは殆どありません。動力関係を除いた装備の面でもほぼ同じです。ニンジャ300は車検が必要なのでそのぶんランニングコストが上乗せされますが、そのコスト増を考慮しても、余裕あるパワーには捨て難いものがあります。普通2輪車クラスで、魅力的な選択肢がまた1台加わったと言えそうです。

カワサキ ニンジャ300 のここがポイント!
  • ● 最高出力39PSと最大トルク2.8kgf・mの余裕あるパワー
  • ● 操作が軽くスリッパークラッチ機能も搭載する新型アシスト&スリッパークラッチ
  • ● 250ccクラス同等の軽量でコンパクトな車体

カワサキ ニンジャ300のライバルはこれだ!

  • スズキ
    GSR250

    水冷4ストローク並列2気筒エンジンを搭載。製造コストの安い中国で生産することで、割安感のある価格設定を実現。完成度は高く、走りの楽しさはかなりのものがある。

  • ホンダ
    CBR250R

    ホンダの世界戦略車。コンパクトな水冷4ストローク単気筒エンジンをコンベンショナルな車体に搭載。グラマラスなフルカウルは防風効果も高い。生産はタイ中心で行われる。

  • カワサキ
    ニンジャ250

    ニンジャ300の兄弟車。排気量が小さい分パワーは劣るが、エンジンを回しきる醍醐味があり、走りの楽しさは甲乙付け難い。車検がないのでランニングコストも安い。

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