カワサキ Z800

掲載日:2013年01月16日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

カワサキ Z800の画像
KAWASAKI Z800

大幅にポテンシャルアップした806ccエンジンを搭載
アグレッシブなデザインワークは大注目

Z800 は、排気量 806cc の並列4気筒エンジンを搭載したカワサキの輸出専用車。ストリートファイタースタイルを意識した、アグレッシブなデザインを持ったネイキッドモデルです。兄弟車的なモデルにはリッタークラスの Z1000 が存在し、スタイリングやマシンコンセプトのフィロソフィーを共有しています。2013年モデルから新たにラインナップに加わったモデルですが、同系の輸出専用マシン Z750 が先代モデルにあたります。

Z800 のエンジンは、Z750 のシリンダーボア径φ 68.4mm からφ 71.0mm へと拡大し、排気量を 58cc 増大させたものです。ただし単純なボアアップではありません。Z750 では重力鋳造アルミシリンダーにスチール製のスリーブが鋳込まれていましたが、Z800 ではアルミダイキャスト製のメッキシリンダーを採用。更にオープンデッキ構造を採用することで、約1kgの軽量化を実現しています。併せて、吸排気ポート形状は最適化され、インテークファンネル長は1-4番と2-3番シリンダーで異なった長さに設定。インテークダクト長も延長されています。インジェクションのスロットルボディも Z750 のφ 32mm から、φ 34mm へと拡大されるなど、エンジン内部の変更点は多岐にわたります。最大トルク発生回転数は低く設定、強力な低中回転域のトルクと日常使用での扱いやすいパワー特性を実現。また、オイルジェット径やクランクシャフトジャーナルの拡大、オイルパン内部のリブ形状が変更されるなど、耐久性の向上も考えられています。Z800 の最高出力は仕向地によって異なります。フルパワー仕様である、113PS/10,200rpm の欧州、オーストラリア、東南アジア、ブラジル仕様。フランス仕様の 106PS/10,000rpm。欧州 72kW 仕様の 98PS/10,000rpm。欧州一般向け仕様の 95PS/9,500rpm。欧州 35kW 仕様の48PS/8,500rpm という5つの仕様が存在するので、購入時はそのマシンが、どの仕様であるかを確認するべきでしょう。

フレームは Z750 をベースに剛性バランスを最適化した、高張力スチール鋼管製バックボーンフレーム。フロントフォークは KYB 製のインナーチューブ径φ 41mm の倒立タイプ。リアショックユニットは同じく KYB 製で、前後ともに伸側減衰力とプリロードの調整が可能です(仕向地によって別仕様も存在)。Z800 は、親しみやすい排気量のエンジンに、高性能なシャシーを組み合わせたスポーツ性の高いネイキッドモデルだと言えるでしょう。

カワサキ Z800のここがポイント!
  • ● パワフルで扱いやすいパワー特性の新型エンジン
  • ● リラックスしつつもスポーティなライディングポジション
  • ● ストリートファイター的なアグレッシブなデザインワーク

カワサキ Z800のライバルはこれだ!

  • スズキ
    GSR750

    GSX-R750系の強力なエンジンを搭載したネイキッド。ストリート性能を重視し、専用のカムシャフトや吸排気系を採用することで、日常使用で多用する低中速トルクを強化。

  • ヤマハ
    FZ8

    リッターネイキッドFZ1をベースに排気量をダウン。エンジンがロングストローク化され、全域でスムーズなトルク特性を実現。FZ1と比較し、日常域の扱い易さが向上している。

  • MVアグスタ
    ブルターレ920

    MVアグスタのネイキッド、ブルターレシリーズのエントリーモデル。排気量921ccのエンジンに、上級モデルと同様デュアルマッピングモードやトラクションコントロールを装備。

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