フロント周り革命!? 効果絶大なステムスタビライザーの画像

フロント周り革命!? 効果絶大なステムスタビライザー

  • 取材協力/アウテックス  撮影/若林浩志  取材・文/motortoon  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
  • 掲載日/2017年2月15日

バイクに乗っていると「もう少し直進安定性が欲しい」「旋回性を高めたい」と考えることもあるだろう。それに対する有効なアイテムとしては、フォークスタビライザーや高剛性ステムなどが定石だったが、アウテックスでは豊富なレース経験から、ステアリングステムのねじれに注目。フロント周りを激変させる「コロンブスの卵」的な発想で生まれたステムスタビライザーについて解説しよう。

レースシーンでの悩みから誕生した
フロント周りの革新的アイテム

ステアリングステムはその構造上、タイヤの挙動でフォークが振られると、ステムシャフトを中心に「ねじれる」動きをする。これは構造の問題なので、削り出しの高剛性ステムに換装しても、限界こそ上がるものの基本的な性質に変化はない。そこでトップブリッジと三又を外側で接続し、各々がねじれようとする動きを抑えるのが、アウテックスのステムスタビライザーだ。

その開発経緯は、モタードレースを戦ってきた同社代表の中島さんが、ブレーキングの安定性、スライドからグリップに移行する際に発生する反動を軽減を目指したもの。それまでは高剛性の削り出しステムを使用していたが、純正ステムにステムスタビライザーのプロトタイプを装着してみたところ、これまで以上の安定性を得ることが出来たという。

本来の目的であったブレーキングの安定性はもちろん、高速時の直進安定性、高速コーナーでの安定、ハンドリングのクイックさ、旋回性の向上、チャタリング減少、さらにはエクストリームライダーの検証によってストッピーの距離が向上したなど、あらゆる面において性能アップが見られるという。逆に言えば、ステムの構造上、フォークとステムは様々な負荷によって振られていたことになる。また、シンプルな構造により重量増も抑えられているため、ほぼネガティブな要素はなく、絶大な効果を得ることが出来る。

現在ではモタード車両各種やグロム用をラインナップしているが、今後はビッグバイク、ネイキッド、スーパースポーツ、旧車や絶版車など、積極的に開発を行なっていきたいという。あらゆる車種で効果が期待できるアイテムだ。

ステムスタビライザーの
詳細をチェック!

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左はグロム用(クリアー)、右はWR250X/R用(ゴールド)。高強度なA2017ジュラルミンにアルマイト加工を施した高品質な作り。ゴールド、クリアー、ブラック、レッドをはじめさまざまなカラーが用意されており、車体のイメージにあったベストなものを選ぶことが出来る。

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ライダーから見て左方向(写真向かって右方向)にタイヤが振られたときのスタビライザーの動き。ステムシャフトとアンダーブラケットを軸にねじれようとする動きを効果的に支えている。構造としては実にシンプルだが、これまでまったく支えのなかった部分を支えることで、絶大な効果を生み出しているのだ。

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小排気量バイクのグロムでも、その効果の高さは実感出来る。シンプルに見えながらも、車種毎に最適な構造となるよう入念に設計されているのがわかる。

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KTM 690SMCRの装着例。ステム形状により2ピース構造を選択している。一般公道ではあまり関係ないが、高負荷のかかるレースシーンでのセッティングを考慮し、クランプするボルトを減らすことで、ステム全体の強度調整も可能。2016年の筑波ロードレース選手権TC400クラスでレーサーレプリカとバトルの末、2位という成績とファステストラップを記録。

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ステムスタビライザーとOUTEXマフラーを装着したYZ450Fを駆って全日本スーパーモトを走るのは、全日本ロードレースや8耐でも活躍し、今後の活躍も期待される野左根 航汰選手。その他にも、スーパーモトエリア選手権などでもさまざまなライダーがステムスタビライザーを使用して結果を出している。

株式会社アウテックス

株式会社アウテックス

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2017年で22年目を迎えるアウテックス。当初はマフラーメーカーとして、多彩な車種で人気を博していたが、現在ではマフラーにとどまらない豊富なラインナップにより、総合パーツメーカーとして進化を続けている。