スポークホイールをチューブレス化!OUTEX・クリアーチューブレスキット
    取材協力/株式会社OUTEX  取材・文/田宮 徹 構成/Dirt-RIDE編集部
    掲載日:2011年9月7日

チューブレス化で、パンク修理が楽になって、バイクの運動性能が向上する!

一般的なスポークホイールは、タイヤの内側にチューブを入れて使う必要がある。これは、タイヤをそのままスポークホイールに装着したのでは、リムにワイヤースポークをジョイントするニップル部から、内部の空気が漏れてしまうからだ。

 

OUTEXのクリアーチューブレスキットは、そんなスポークホイールの隙間にシーリングを施すことで、スポークホイールをチューブレス化できるカスタムパーツだ。

 

チューブレス化のメリットはいくつもあるが、公道用バイクの場合、最大の魅力は万が一のパンク時に、修理が簡単になることだろう。チューブタイヤの場合、パンク修理の際には一度タイヤをホイールから外し、チューブを取り出して適切な処置を施す必要がある。しかしチューブレス仕様なら、一般的なパンク時にはタイヤを取り外すことなく修理できる。

もちろん、チューブレス化のメリットはこれだけではない。チューブがなくなることで、バネ下重量は前後輪で1kgは軽くなり、バイクの運動性能は向上。タイヤ交換が楽になり、チューブがなくなることでエコにもつながり、タイヤとホイールの密着率が高まることでハンドリングもよくなる。それでいて、スポークホイールのままでのチューブレス化するので、持ち味であるしなやかな乗り心地を損なうこともない。

 

さて、そんな魅力いっぱいのチューブレス化が実現できる、OUTEXのクリアーチューブレスキットは、モタードレース界ではかなりメジャーな存在。しかしじつは、モタード車ばかりでなく、クラシック系のロードモデルやクルーザー系など、様々なスポークホイール車に対応している。

 

OUTEXのWEBページでは、対応車種が一覧となっているが、実際にはホイール内側の寸法さえわかれば、すべてのスポークホイールがOUTEXのキットによってチューブレス化できる。もちろん、旧車でも大丈夫だ。

 

ラインアップにない車種やリムサイズをチューブレス化したい場合、まずは問い合わせてみてほしい。

 

また、OUTEXのキットを使ったチューブレス化は、比較的ローコストで施工が可能で、スポーク交換時のリペアも可能。しかもキットに使われるテープやシートは、非常に高い耐久性を誇っている。

 

このため、施工時の金銭負担はそれほど大きくないのに、一度しっかり施工してしまえば、その後は長期間にわたりチューブレスライディングを楽しむことができるのだ。

キットの素材は、140℃の耐熱性を誇り、耐候性や密着性にも優れる。屋外でも10年以上の耐久性があるが、密閉されたタイヤ内部での使用ならば、その数倍は寿命が延びると予想される。

キットの素材は、140℃の耐熱性を誇り、耐候性や密着性にも優れる。屋外でも10年以上の耐久性があるが、密閉されたタイヤ内部での使用ならば、その数倍は寿命が延びると予想される。

既存スポークホイール裏側にテープとシートを装着することで、チューブレス化を実現。ホイールの内部寸法さえわかれば、マイナーなサイズのスポークホイールにも対応可能だ。

既存スポークホイール裏側にテープとシートを装着することで、チューブレス化を実現。ホイールの内部寸法さえわかれば、マイナーなサイズのスポークホイールにも対応可能だ。

主に3つの点に注意して、慎重に作業すれば、このキットは一般ユーザーでも施工可能!

クリアーチューブレスキットは、OUTEX本社や代理店で施工してもらうこともできるが、ユーザー自身が装着することも可能。製品には画像入りの詳細な説明書も付属しているので、ある程度の器用さがあり、ホイールやタイヤの脱着に慣れているひとなら、それほど難しい作業とは感じないだろう。

 

施工は、ホイールを単体にし、プレカットニップルテープ、シールテープ、テープを保護するためのクリアーシートを貼るというのが、大まかな手順となる。

施工時の注意点としては、まずホイールの脱脂をしっかりと行うこと。テープを貼る部分に油分が残っていると、テープの接着力が弱まり、エア漏れの原因となる可能性がある。

 

また、リムの溶接面をサンドペーパーなどでしっかりと整えることも重要。リムメーカーによっては、溶接部の仕上げが粗いこともある。そんな場合は、大変な作業となるが、やはりこれも、エア漏れを防ぐために欠かせない作業だ。

 

そして、キット施工後のタイヤ装着時には、タイヤを無理にホイールへとはめ込まないこと。これは、タイヤレバーやタイヤそのもので、シートを傷めてしまう可能性があるからだ。タイヤの摩擦力を減らすためにも、通常より多めにビートクリームを使うことをお薦めする。

キット内容は、プレカットニップルテープ、シールテープ、クリアーシートがメイン。施工で余ったテープやシートは、補修用として使える。この他に、エアバルブや作業用手袋などが同梱。

キット内容は、プレカットニップルテープ、シールテープ、クリアーシートがメイン。施工で余ったテープやシートは、補修用として使える。この他に、エアバルブや作業用手袋などが同梱。

ホイールを単体にした後、最初に溶接面の段差を滑らかになるよう整える。サンドペーパーでも行える作業ではあるが、エアや電動の工具があると、作業はだいぶ楽になる。

リムを完全に脱脂し、ニップルテープを貼り付け。これにより、あとでニップル調整が可能となる。そして、シワができず完全密着するよう気をつけながら、シールテープを装着。

シールテープを貼ったら、エアバルブを装着し、今度は保護用のクリアーシートを貼っていく。すべての作業完了後、タイヤを組み付け、念のためエア漏れのチェックをする。

分かりやすい取り付け方法動画

スポークブースターやステムスタビライザーの併用により更なる運動性能アップも!

ところで、OUTEXのクリアーチューブキットは、モタードなどのレースでも数々の実績を残してきた。

 

たとえば、全日本格式となるmoto1オールスターズの最高峰クラスでは、08年度王者の星野優位選手などが使用。チューブレス化によるバイクの運動性能アップで、数々の勝利に貢献し、同時にこのキットが過酷な環境で使用してもトラブルが発生しない、高い品質であることを証明してみせた。

 

また、OUTEX代表の中島将登氏も、様々なレースに参戦を続けていて、つい最近もこのキットを使ったバイクで出場したイベントレースで優勝している。

 

ちなみにOUTEXでは、スポークホイールの長所を生かしたまま剛性を上げるスポークブースターや、フロントまわりのねじれ剛性アップにつながるステムスタビライザーなど、数々のオリジナルアイテムを手がけている。

 

モタードなどのスポーツ走行を中心にバイクを楽しんでいるユーザーなら、前後タイヤのチューブレス化だけでなく、これらのパーツを組み込むことで、マシンの走行性能を一気にレベルアップさせることを検討してみてもよいだろう。

moto1オールスターズの最高峰クラスでは、08年度王者の星野優位選手がこのキット使用して活躍するなど、過酷なレースにも耐えうる、品質の高さを証明してみせた。

moto1オールスターズの最高峰クラスでは、08年度王者の星野優位選手がこのキット使用して活躍するなど、過酷なレースにも耐えうる、品質の高さを証明してみせた。

2011 MOTO1近畿・中部エリアシリーズでMOTO3に参戦中の平山選手が3連勝。チューブレスキット、スポークブースター、ステムスタビライザーのほかOUTEXのマフラーも装着している。

2011 MOTO1近畿・中部エリアシリーズでMOTO3に参戦中の平山選手が3連勝。チューブレスキット、スポークブースター、ステムスタビライザーのほかOUTEXのマフラーも装着している。

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