
オービトロンのフリクションフリーシステムは、バイクの車体が帯びている静電気を中和する技術だ。空気が乾燥した季節に、車のドアノブなどの金属に触れようとして“バチッ”と衝撃を受ける静電気。じつはこの静電気は、車やバイクの車体の外側だけでなく、エンジン内や電気系統など、あらゆる場所で発生しており、色々といたずらをしている。この静電気を中和し、無くすことで、バイク本来の性能を引き出せるようにするのが狙いなのだ。
オービトロンのフリクションフリーシステムは、バイクの車体が帯びる静電気を中和し、無くすことを狙ったもの。静電気は車体の各部で発生しており、それは外装が静電気を帯びていると空気抵抗となり、またエンジン内ではエンジンパーツの摺動部の抵抗となるなど、様々な抵抗となってバイクの性能をスポイルする要因となっているのだ。
この静電気を中和するのがオービトロンの役目だが、その仕組みはオービトロンから電子を発生してプラス電荷の静電気と中和させて無くしてしまうというもの。オービトロンはパワーモジュールと呼ばれるバッテリーのマイナス端子に接続して使う装置や、オイルや冷却水に添加する添加剤などがある。では、静電気を中和するとどのような効果があるのだろうか?
今回はオービトロンを販売するランドマスタージャパンの金光利久氏と、同社がサポートするロードレースライダーの中冨伸一選手、そして同社製品を取り扱うスクーデリアオクムラの奥村裕氏も交えてオービトロンの効果について紹介していく。まずは中冨選手がオービトロンを使うようになった経緯から聞いてみた。
「一昨年の秋に知人を介して紹介されたのがきっかけでした。ちょうどレースの時に商品一式を渡されたのですが、その中でもすぐに使えそうだったオービトロンのワックス『スーパーシリコーン』で、ヘルメットを磨いてみたら首への負担が凄く軽くなっていました。レースでは時に300km/hを超えるスピードで走りますから、風圧を受けて、レース中の首への負担が気になっていたのですが、それがなくなった。“これは凄いぞ!”とその効果に興味が沸いたのです」
もちろん、これもオービトロンの効果のひとつで、ヘルメットが帯びていた静電気が中和され、空気の抵抗を受けにくくなったことが要因なのだ。
上のイラストはオービトロンの効果を表すイメージ図となる。車やバイクは走行中に車体に静電気を帯びており、これらが空気抵抗や摺動部などの抵抗となる。「フリクションロス」とも言われ、本来の性能を阻害してしまう原因に。この静電気を中和して減少させれば抵抗が減って本来の性能を引き出せる、というわけだ。その効果は乗り味に、そして燃費などに表れる。
今回、主に話を聞いたのはオービトロンのフリクションフリーシステムのパワーモジュールと、スーパークーラントの2種類について。パワーモジュールはバッテリーのマイナス端子に接続して使用する装置で、スーパークーラントはラジエター液に混ぜて使用する添加剤。どちらも車体の静電気を中和する効果を持っている。
今回取材にご協力いただいたランドマスタージャパン代表の金光利久氏(左)と、スクーデリアオクムラ代表の奥村裕氏(中)、そして全日本ロードレース選手権JSB1000クラスを戦う中冨伸一選手(右)。中冨選手は2000年に全日本GP250クラスでチャンピオンを獲得し、2006年から3シーズン、スーパーバイク世界選手権へ参戦した経験を持つ。オービトロンの製品は自家用車でも愛用している。
中冨選手が手にしているのがオービトロンのワックス『スーパーシリコーン』で、ヘルメットやバイクの車体に塗布することで静電気を中和し、空気抵抗を低減する効果がある。レースの時はいつも使っているそうで、最高速度が300km/h近くとなると空気抵抗で首への負担も相当なもの。その空気抵抗が軽減されることで、首への負担が少なくなったという。
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オービトロンをはじめチタンボルトやアクスルシャフトなど、車やバイクの性能向上に繋がる商品を販売するランドマスタージャパンは2010年に設立。オービトロン、パワーモジュールは2014年より発売を開始している。