オービトロンのフリクションフリーシステムのうち、冷却水に添加して使う『スーパークーラント』も静電気を中和する効果がある。実際に、夏のサーキットという過酷な環境でテストを行った中冨伸一選手に、その効果を聞いてみた。

パワーモジュールを補う冷却水用添加剤
『スーパークーラント』

オービトロンのパワーモジュール、さらにスーパークーラントと、それぞれの違いを金光利久氏に聞いてみた。

「パワーモジュールはオービトロンの中核となるアイテムで、バッテリーのマイナス端子に繋げることで、車体全体に効果を発揮します。ただ、それでも足りない部分を補うものとして、オイルの添加剤や冷却水の添加剤、ここに紹介する『スーパークーラント』があるのです。スーパークーラントは2種類あって『スーパークーラントG-SPEC』がより高性能となりますが、一般の車両であればスーパークーラントで十分な効果を体感できます」（金光氏）

「昨年の夏に、サーキットでこのスーパークーラントG-SPECのテストを行いましたが、テスト車両でも水温計で数度下がったことを確認しています。たかが数度と思われるかもしれませんが、夏場の過酷な使用条件では、この差が何馬力かに匹敵するため、大きな効果だと思っています。冷却水はエンジン内にも通っていますから、オイルやエンジン内の静電気の中和にも効果があるようです」（中冨選手）

「当社のお客さんの中にはオービトロンの愛用者も多く、その中には旧い車両にこのスーパークーラントを入れている方がいるのですが、冷却水の水温低下の効果はもちろん、これを使ったらミッションまで好影響を及ぼしたと話していました」（奥村裕氏）

「スーパークーラントは冷却水の循環を通じて、エンジン内で発生している静電気までも中和し、電気的なフリクションを減少させます。また、スーパークーラントは酸化還元電位が低い水で、水素水と同じような水です。水でありながら酸化しづらい、言い換えると錆びづらい水となります。一般のクーラントに混ぜても大丈夫です。バイクであれば1/2本ほどが添加量の目安となります」（金光氏）

なお、オービトロンは取扱店によって体感用を用意していることもあるため、機会があれば是非、その性能の一端を体感していただきたい。

添加剤で静電気を中和してそれぞれの性能を高める

オービトロン、フリクションフリーシステムの冷却水用添加剤は『スーパークーラントG-SPEC』（左）と『スーパークーラント』の2種類がある。ともに100cc入りだが、一般的なバイクであれば、半分の50ccを冷却水に混ぜて使うことがお勧め。

金光利久氏（左）は2016年より中冨伸一選手（右）をサポートしている。レーシングライダーは繊細な感覚が求められるため、オービトロンの製品評価にも中冨選手のコメントは欠かせなくなっており、試作品のテストなども中冨選手が行っているのだ。

今回紹介したスーパークーラントは冷却水用の添加剤となり、オイル用添加剤『スーパーエステルG-SPEC』も別でラインナップされている。ただ、交換サイクルは冷却水の方が長いため、コストなどを考えると、まずはスーパークーラントを試してみるといいだろう。

オービトロンのラインナップの中でも、使いやすい商品の一つが『スーパーシリコーン』だ。バイクの外装やヘルメットなどに塗布することで、静電気を中和して空気抵抗を低減する効果がある。特にヘルメットは首などへの負担軽減にもつながる。

今回、取材にご協力いただいたスクーデリアオクムラは、オービトロンの取扱店舗のひとつ。BMWユーザーでもある金光氏は元々スクーデリアに出入りしていたお客さんだったそうで、その縁で取り扱いを行っている。奥村氏自身も、オービトロンの愛用者でもあるのだ。

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