クラシカルなデザインの中に
最新ウエアの多機能さを満載

レブイットは1995年にオランダで生まれたライディングウエアメーカー。そのラインナップに共通するのは、欧州の防護規格をクリアするプロテクション性能を有した上で、スタイリッシュなデザインを実現し、ライディングにおける高機能な装備を持つこと。これにより欧州、北米のみならず日本でもユーザーから高い評価を受けてきた。

これまではBMWのGSに似合うような、アドベンチャー系のウエアをメインに展開してきたわけだが、新たに加わった『インテグレーション』(アーバンモーターサイクルアパレル)の代表格『メルビル』は、従来の製品とは一線を画す、シックなジャケットである。前身頃に4つのポケットとベルトを持つそのスタイリングは、クラシカルかつ伝統的なもので、とても落ち着いた「大人」の印象。手にとってまず驚いたのがその素材感だ。メーカーの表記では「ワックスコートコットンポプリン」となっていたため、例えばベルスタッフやバーブァーなどに代表されるような、綿にオイルを染み込ませたオイルドコットンを想像していた。しかしメルビルのそれはまったく異なり、コットン地に薄い樹脂がコーティングされた、ツルツルとした手触り。革ともナイロンとも違う、これまでに触れたことのない新鮮な素材感で、これが実に気持ちいい。

往年のオイルドコットンが持つ深いテイストは魅力だが、オイルがあらゆるものに付着したり独特な匂いを発するなど、現代においてはデメリットも多い。対してこのメルビルの素材は、ベタつき感や匂いは皆無でありながら、そのテイストも絶妙に再現されているのだから、見た目はクラシカル、でも実は最先端なジャケットなのである。しかもこの生地には撥水性があるので、ある程度の水滴なら弾いてしまう。もちろんジャケットの内側には『ハイドラテックス』のフィルムが仕込まれているため、本格的な雨中走行でも体が濡れる心配は少ない。

羽織った着心地はとても軽く、着脱式のサーマルライニングインナーのおかげもあり非常に暖かい。全体にスリムなシルエットで、肩と肘のプロクターもゴワつかずぴったりとフィットする。こういったフィット感と動きやすさの両立は、GPライダーへのサポートなどで培われた技術のフィードバックに他ならない。

このジャケットの最大の魅力は、こういった高機能さとシックなデザインを両立した部分だ。ツーリングでは食堂で飯も食べるし旅館などにも泊まる。旅先で居酒屋に行くこともあれば、バイクが故障したら電車やバスで帰宅することもあるだろう。そんなときに派手なレーシーデザインのウエアではあきらかに浮いてしまう。その点メルビルのようなウエアなら、都市部から田舎まで、どんなシーンにも馴染む。たとえばスーツの上に着て電車に乗ったとしても、違和感は少ない。

バイクやシーンを選ばないシックなカラーとデザイン、信頼の防護性能、着脱式インナーによる長い着用期間、高い防水性など、総合的に見て秀逸なメルビルだが、これに加え2万7,300円という破格の価格設定なのだから、持っておいて絶対に損のないジャケットだと言えるだろう。筆者的には、今後このジャケットに合うパンツのリリースにも期待したい。

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  前合わせはファスナーの上にボタンで被せる2重方式。ボタンフラップの端はさらに折り返され、防水性を高めている。こんな細かい部分の造りこみも秀逸だ。

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  カラーの背面にはロゴ入りの反射素材を装備。入射光を光源の方向にまっすぐ戻す『再帰性反射』を実現した高機能素材スコッチライトを採用。夜間やトンネルでの安全性をサポートする。

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  前身頃の腰ポケットは2重構造で、ひとつは横から手を入れるハンドウォーマーになっている。冬場にバイクから離れ、グローブを外しても手が温められるのだ。だいたい男はなにかとポケットに手を入れていたいからうれしい装備。

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  ジャケットの内側には保温性の高いサーマルライニングのインナージャケットを装備。着脱はファスナーとボタンで留める方式で、確実ながら着脱時間はわずか1～2分。

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  肩と肘に欧州の安全規格『CE』をクリアしたプロテクターを装備。イギリスで設計され、ラバーフォームの内部とポリウレタン外装を結合することで耐久性に優れ、軽量で柔軟性も高い。

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  撥水性の高い生地のため、少しの雨ぐらいなら表地に水が溜まることもない。もちろん内部にはしっかりした防水フィルムが施されているので、レインウエアがなくても安心。