掲載日:2022年12月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
いま20~30代の人は信じられないと思うが、日本には「ノーヘルOK!」の時代があった。義務化になったのが1978年(排気量51cc以上)のこと、いまから44年前なので知らなくて当然なのだが(笑)。
その後しばらくの間、原付バイク(50cc以下)はノーヘルOKの時代が続いていたが、1986年に原付バイクも義務化となる。そこに注目して作られたスクーターがヤマハのボクスン。
一番の特徴はスクーターとして初めて、本格的な“収納”機能をシート下(後方?)に備えていたことだ。それも書類や雑誌、レインウエアなどの小物からフルフェイスのヘルメットまで収納できる大きなスペースで、これはかなり画期的だった。
いまはシート下のスペース(メットインなど)は基本装備になっているが、ボクスン前のスクーターは、ヘルメット義務がなかったためそんなスペースは皆無だった。
ちなみに広告のイメージキャラクターは、当時のお笑い番組『オレたちひょうきん族』などで人気だった、デブタレの元祖故ウガンダ・トラさん。「カレーは飲み物」の名言!?はいまでも記憶に残っている。体型からボクスンにピッタリだ。
アイデアは良かったのだが、残念なのがシートの後方部がボテッと膨らんだデザイン。当時はスクーターブームでスピード優先のスポーティーモデルが人気の中心、ほかにもファミリー向け、女性向け、上級者向けなどもあり飽和状態。そんな時代を生き続けることは至難の業だったようで、短期間で生産終了となってしまった。
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