掲載日:2022年10月21日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
原付スクーターの黄金期といえる80年代は様々なモデルが生まれ、消えていった。1代限りで終わったもの、超ロングセラーとなったもの、クセが強すぎるものなど、販売数や機能に関わらず、当時の僕たちに大きな刺激を与えてくれた。
その中で特にルックスの可愛さで際立っているスクーターが1台ある。それはホンダのフラッシュ。存在は知っているが、どんなバイクなのかは詳しくは知らなかったので、その中身を紹介してみよう。
フラッシュが生まれた1983年はホンダからリーダー、ビート、ボーカル、タクティ、イブ、ジャスト、ジョイなど多くのスクーターがデビューした豊作の年だった。ちなみにホンダのスクーターシリーズは11種もあった。そんな時代の申し子のように、特別な個性を持ったPOP(ポップ)路線のスクーター、フラッシュが生まれた。
カエルの顔のように丸く膨らんだフロントカウル(フェンダー?)が何とも可愛らしい。またカスタムパーツに大きな目玉シールがあって、当時はたくさんの人がフロントカウルに貼って走っていたとか。想像するだけで楽しい気持ちになる。
ポップなところばかりに目が行くが、中身は想像以上に本格派。当時大人気だったヤマハジョグに対抗するように、最高出力5PSとパワーで上回り、乾燥重量も47kgと2kg軽い。さらに高グリップ力のタイヤや、ショック吸収性の高いサスペンションなどを採用することでスポーティーな走りを実現。見た目はポップなのに、走るとスピーディ。一台で二倍楽しめるスクーターなのだ。
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