掲載日:2022年10月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
時代の変化や排気ガス規制など様々な影響から、年々車種が減っている原付一種。バイクブームのピーク時には1メーカー、十数車種あったときもあるが、現在のヤマハに目を向けてみるとビーノ、ジョグ、ギアの3種のみとなっている。
それを聞いても若者はなんとも思わないが、おじさんの僕はジョグ(ホンダ製のOEMだけど)がいまでも生き続けていることが嬉しかったりする。
ジョグが生まれたのは、ホンダとヤマハが過激な販売合戦を繰り広げた「HY戦争」が終わろうとしていた1983年。原付スクーターは一般に浸透してきていたが、若者の興味の中心はまだRZやMB、RGなどミッションバイクにあった。そんな時代に、鮮烈デビューしたのが『スタイリッシュスプリンター』ヤマハJOG!!
とにかくスタイルが斬新。最初に目につくのが、フロントフェンダーがボディと一体化したデザイン。これまでにない先進的なスポーツスタイルは、若者の心をがっちりつかんだ。また樹脂を多用することで軽量化(乾燥重量49kg)に成功。そこにパワフルな4.5PSエンジンを搭載、走りも軽快だった。さらにセルスターター、オートチョーク、CDI点火、シートロック機構、ヘルメットホルダー、リアキャリア、12V電装など装備も充実。この内容で99,000円!! 空前の大ヒットとなった。
初代はフェンダーの形状から「ペリカンジョグ」と呼ばれた。その後も、ジョグスポーツ、ジョグアプリオ、ジョグポシェ、ジョグZR、リモコンジョグなど様々なモデルが登場。ジョグの歴史はまさに、日本の原付スクーターの歴史なのである。
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