掲載日:2022年08月05日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ヤマハパッソル、ホンダタクトなど、原付バイクの中心がスクーターになろうとしていた80年代初頭、ホンダは全く新しいカテゴリーのバイク、リア2輪の3輪スクーター「スリーター」のストリームを開発した。
大きな特徴はフロントボディ(フロントホイール)と、駆動するリアホイール(リア2輪)が分離していること。連結部にナイトハルト機構を採用することで、フロントボディはコーナーリングで左右にスイング。リアの2車輪は駆動軸にデファレンシャル・クラッチを装備することで、2輪による確実な駆動と安定したコーナーリングを実現。2輪の軽快性と4輪の安定性を持っているのがスリーターなのである。
また、小径ホイール&ロングホイールベースによりフットスペースは広々、ゆとりのライディングポジションを確保。さらに3段階調節できるバックレスト付大型シート、乗り心地の良いサスペンション(フロント:ボトムリンク、リア:ユニットスイング)、エンジンの振動を遮断するダブルリンク式エンジンマウントなどによって乗用車のような高い居住性と快適性を実現していた。
オリジナル機能も盛りだくさん。ワンタッチで操作できるパーキングロック、荷物を便利に収納できる大型フロントトランクとグローブボックス、各種メーターとインジケーターを見やすく配置した乗用車感覚のインストルメントパネルなど、新時代を感じさせる装備が満載。スリーターはその後ジャイロX、ジョイ、ジャスト、ロードフォックスなど多様化、ホンダの1カテゴリーとして定着させていった。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!