掲載日:2022年05月06日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
伝説に残る80年代の原付スポーツバイクは何台か存在するが、ホンダの2ストスポーツ、クラス最強の最大出力7.2PSを誇るMBX50の後継、NS50Fは間違いなくその1台と言えるだろう。ほぼ同時期に発売されたフルカウル、コンパクトサイズのNSR50と共に、レース用バイクとしても人気が高かった。
80年代後半はレーサーレプリカを中心としたバイクブームのど真ん中。峠道を攻めるレーサー気取りのライダーが続出。クイックなハンドリングが得られる小径ホイール車が主流になっていた。NS50Fは小径の17インチ、軽量で剛性の高いキャストホイールを採用。フロントに油圧式のディスクブレーキ、リアサスはプロリンクと本格派のスポーツバイクだった。
1988年以降のモデルは後期型と呼ばれマフラー形状やサイレンサーが小径化、吸気タイミングの改良などにより燃焼効率が大幅アップ、よりパワフルな高回転型エンジンになった。
エアロデザインも大きな特徴。フロントからテールへ流れるようなフォルム、さらに流線形のハーフカウルはガソリンタンクと一体化、原付とは思えない美しさがあった。
当時はミニバイクレースが全国各地で盛んにおこなわれていて、軽量ボデイにパワフルなエンジンを載せたNSR50とNS50Fは引っ張りだこ。特にフルサイズボディに17インチを履いたNS50Fは高速走行に強かったという。レーサーレプリカとは一線を引いたデザインは唯一無二の存在。その魅力はいまも失われていない。
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