掲載日:2021年12月10日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代、最も親しまれた原付バイクの一台にヤマハGT50、通称ミニトレがある。名前の通りミニサイズのトレールバイクで、その前身は70年に発売されたFT50。250ccの本格派モデルDT-1を小さくしたようなスタイルで、2スト単気筒のロータリーバルブエンジンに、15インチ&ブロックタイヤを履く、遊び心あふれるバイクだった。
72年に登場した後継となるGT50はFT50よりさらに小さなフレームに最高出力4PS、バーチカルシリンダーのピストンリードバルブエンジンを搭載していた。
ミニトレの魅力のひとつがブロックタイヤ、アップタイプのマフラー、ドロヨケ、ブレース付きの幅広のハンドルなど、オフロードを走る気満々のパーツ群。
その一方で、タイヤサイズはフロント15インチ、リアが14インチとかなり小径、全長も1610mm&乾燥車重は62kg(初代)とかなりコンパクト。見た目はかわいい系というかミニレジャーバイクなのに、エンジンやタイヤ、ハンドル回りなどは本格派オフロード仕様。このアンバランスさが、ミニトレGT50の最大魅力だった。
この唯一無二のスタイルは若者からの強い支持を受け、大人気となった。ちなみに同サイズのフレームにダブルシートを載せたGT80も同時販売されていた。
ミニトレは77年に5速シフト化、79年にはモノクロサスペンションに、80年にはCDI化、角パイプスイングアームになるなどモデルチェンジ、進化を続けた。人気抜群のミニトレだったが、80年代になると水冷エンジンのバイクが続々登場、人気を奪われ、81年モデルを最後にラインナップから姿を消した。
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