掲載日:2021年08月20日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1990年代中頃、日本ではちょっとしたレトロバイクブームが起こっていた。ホンダのベンリィ50S(96年)、ドリーム50(97年)、CL400(98年)、ヤマハのルネッサ(96年)、スズキのSW-1(92年)、ボルティー(95年)、カワサキのエストレヤ(92年)など、各メーカーが各排気量でレトロバイクを展開。スピードやテクノロジーではなく、古き良き時代のバイクの雰囲気を楽しむというジャンルが確立されつつあった。
そんな時代にYB-1は産声をあげた。ベースは1973年登場から20年以上のロングセラーとなっているYB50。エンジンはシンプルな2スト単気筒、ロータリー式ミッションを採用する耐久性の高いビジネスバイクだった。
粘り強いトルクとパワフルさを兼ね備えたロータリーディスクバルブ吸気の2ストエンジンは、ロードバイクとしての実力も十分に備えていた。足元は17インチのロードタイヤにチェンジ。さらにカフェレーサー風のシングルシート、メッキ処理した前後フェンダーにメーター、ヘッドライトを採用するなど、見た目にもこだわった。ベースがビジネスバイクとは思えない、違う個性のバイクにリボーンした。
YB-1は誰でも気軽に乗れるレトロバイクとして、クラシカルスタイル好きの年配ライダーから人気に。1997年には燃料計などマイナーチェンジ。1998年にはダークシアンメタリック1、ビビッドレッドカクテル7などグラデーションが美しいカラーのモデルが登場。1999年まで生産されたが、2000年にベースのYB50が4スト化、YB-1も同じように4ストのYB-1FOURへモデルチェンジ、姿を消した。
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