掲載日:2021年07月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1976年に登場したロードパルの人気爆発によってホンダのファミリーバイク市場は活気付いた。その後77年にはバリエ、78年にはパルフレイ、パルホリデー、パルディン。79年にはカレン、80年にはハミング…と個性豊かなファミリーバイクが町を賑わせるようになった。
そんな中、基本的な部分はロードパルのスタイルを継続しながら、男性ライダーを強く意識したモデルが1982年に登場した。それが今回のランナウェイ! この名前を聞いて「あれ?」と思った人はいませんか~? そうです、80年にデビューしたシャネルズが歌って大ヒットした曲「ランナウェイ」と同じです(笑)。それを意識したネーミングなのかは定かではありませんが、インパクトがあったのは確かです。
車体を見ると、メタリック塗装のカラーリング、直線を基調としたデザイン、ファミリーバイクとしては大柄な車体など…ターゲットユーザーが男性なのは明らか。1980年に発売されたヤマハのタウニィの人気が高かったので、そこを意識して作った可能性は大です。1980年~82年といえば「HY戦争」がバチバチに激しかった時代。戦火はこんなところまで飛び火していたんですね~。
ただ、当時の男子が求めていたのは便利さではなく、高性能・ハイパワーなマシン。本格的なスポーツバイクに強いあこがれを持っていた男子から見ると、オートマチックギアは魅力的ではなく、最高出力3.1PSも物足りなりなかった。残念ながら、名前と同じようにランナウェイ(楽勝、大勝)とはならなかった。
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