掲載日:2021年02月05日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代後半。50㏄のロードバイクはシンプル&軽量でスピードが出る2スト車が主流で、ヤマハのRDやスズキのRGが人気だった。そんな時代に、4スト車を中心に展開していたホンダが、ついに2スト車をリリース! その名はMB50。センセーショナルなデビューを果たした。㎆50はとにかく見た目も、メカも最先端。「ホンダが本気で2ストの原付を作ったら、こんな凄いバイクができちゃうんだ!!」。当時原付に乗っていたライダーたちの目は、星のように輝いた。
機能美のXラインフレーム、大容量9リットルを確保しながらスマートなデザインのガソリンタンク、さらにタンクの前部には電装メンテナンスボックスを装備。加えてブラックカラーのトライアングルコムスターホイール、油圧式フロントディスクブレーキ、フルサイズの大型タイヤ(2.50-18インチ)など。ホンダのテクノロジーがギュッと詰め込まれている。これまでの50ccスポーツバイクが霞んで見えてしまう、圧倒的なカッコ良さをも持ったバイクだった。
ブラックに塗られたエンジンは、クラス初となる一軸一次バランサーを内蔵したクラストップの7馬力。最高時速は80km/hオーバー。高スピードを確保しながらも、白煙を減らしたり、燃費を良くしたり、オイル消費を抑えるなど環境問題への配慮も忘れていない。高次元の2ストロードバイクだった。
これほど魅力的なバイクが売れないわけがなく、大ヒット。MB50をきっかけにゼロハンブームが日本中へと広がっていった。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!