掲載日:2020年07月17日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
19歳。僕が初めて買った原付がヤマハのRX50。バイクで長旅をするならアメリカンだろう、だけどもう一方ではスピードへの憧れもあった。そんな思いを叶えてくれたのがRX50だった。
当時、デザインの専門学校に通っていたのだが、クラスにバイクを持っている友人がひとりだけいた。お互いバイクが好きなことがわかると仲良くなり、それから一緒に秩父や奥多摩、箱根……いろんなところへ出かけた。その友人WのバイクがRZ50だった。バイクを運転するのが楽しくて、面白くて、いつまでも一緒に走り回っていた。
1980年。ナナハンキラーと呼ばれ恐れられていたRZ350、2ストレーサーレプリカの元祖であるRZ250。大人気の2ストスポーツバイクの末っ子として生まれたRZ50。規制上限いっぱいの7.2PSを発揮するハイパワー水冷2ストエンジン、6速ミッションを始めに、モノクロスサスペンション、前後18インチキャストホイール、フロントディスクブレーキ、軽量・高剛性のダブルクレードルフレームなど、とにかく50ccとは思えない充実ぶり、豪華な内容だった。
性能の違いか、峠道ではRZ50のWにあっという間に置き去りにされた。その後、原付では物足りなくなり、ふたりとも普通二輪免許(当時の中型)を取得。WはホンダのVT250を僕は遅れてRZ250を購入した。これで性能的にはほぼ互角のはず、再び箱根の峠へ。ところが対等に渡り合えるはずが、差は縮まらず。結局、性能よりもテクニックの差だったことが判明(笑)、それもいまではいい想い出になっている。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!