掲載日:2019年12月20日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
昔から僕にとってバイクと言えば旅(ツーリング)の相棒。正直なところメカニズムや歴史など専門的なことにはかなり疎い。そんな僕でもフルカウルのレーサーレプリカが最初に市販されたときは興奮した。見た目の内容もサーキットを走っているレーサーバイクそのまま。「おおっ、スゴイ! こんなバイクで町を走れたら、最高!」と鼻息が荒くなったことを覚えている。
レーサーレプリカモデルは250cc、400cc、500cc、750cc……とどんどん拡大。そしてついに50ccまで登場。その先駆けがヤマハのYSR50だった。
ファクトリーレーサーのTZR500をそのまま縮小コピーしたようなスタイリングは鮮烈。さらにフロントディスクブレーキ、タイヤモンド型フレーム、モノクロスサスペンション、セパレートハンドルなどなど。レーサー風ではなく、レーサーに保安部品を付けただけという感じ。50ccでここまでやるとは思わなかった。
12インチサイズの2ストロークのレーサーレプリカは初で、その後人気を博したミニバイクレースの火付け役に。1988年に剛性の高いクレードルタイプフレームに変更するなどマイナーチェンジ。さらにカラーグラフィックは標準に加えて、イラストに描いたマルボロカラー、平忠彦で有名になったテック21カラー、コーヒーで人気のUCCカラーなどの限定色も登場した。
町中を走る若者たちをレーサー気分にしてくれたYSR50。バイクは夢をみせてくれる乗り物だというが、まさにそんな1台であった。
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