掲載日:2025年07月11日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代後半、日本国内でアメリカン・クルーザーの人気が徐々に上昇。それまではロードバイクモデルにプルバックハンドル、ティアドロップを付けた『なんちゃってアメリカン』が多かったが、国産でも本格的なアメリカン・クルーザーを製作するようになった。その代表格が、ヤマハのV型ツインエンジンを搭載したビラーゴシリーズ。
輸出車をベースに生まれたXV750 ビラーゴを筆頭に、87年にはXV400ビラーゴが、88年には末っ子のXV250ビラーゴが生まれた。250㏄クラスでは初のOHC・Vツインエンジンで、Ⅴバンク角は60度。49mm×66mmの超ロングストロークで低中速重視、ゆとりのあるトルクが特徴だった。250クラスとしては待望のV型エンジンを搭載した本格アメリカンで、シリーズの中でも特にデザインの完成度は高かった。
外観もバフクリアー仕上げされたヘッドカバー、美しくクロームメッキされたデュアル・テーパードマフラーとエアクリーナーケースカバーなど、上質な仕上がりで、加えて心地よいエンジンの振動や排気音も魅力的だった。また、フラットハンドル仕様とプルバックハンドル仕様の2タイプを用意、好みで選べるのも嬉しいポイント。
さらにロングホイールベースの安定感、シート高695mmのバツグンの足つき性、乾燥重量が139kgと軽量なので取り回しも意外とラクだった。魅力溢れるXV250ビラーゴは、乗りやすさなどから女性やビギナーなどからの強い支持も獲得。日本では96年で販売終了となったが、北米ではその後も継続販売。ファンが多いモデルなのである。
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