掲載日:2025年01月24日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ロードレース、モトクロス、トライアルなど古くからオートバイを使った競技が盛んだったヨーロッパ。一方アメリカでは平坦なダートのトラックを周回するフラット・トラック・レース(ダート・トラック・レース)が絶大なる人気を得ていた。全米選手権も行われていてホンダが1984、85年と2年連続でメーカーとライダーの両チャンピオンを獲得。そこでホンダはフラット・トラック・レースのチャンピオンマシンRS750Dをモチーフにしたモデル、FTR250を日本デビューさせた。
単気筒シングル、RFVCを採用するXLR250のエンジンがベース。幅広ハンドルに50度の大きな切れ角、足着き性の良い低シート、低重心、ショートホイールベースなど本格的なダートトラッカースタイルで、すぐダートレースに参戦できるようヘッドライトなど公道用保安部品を簡単に取り外せるようになっていた。
また足回りもフロントにテレスコピック、リアはプロリンクサスペンション、前後にディスクブレーキを搭載するなど充実。前後タイヤもFTR250専用に開発するなど、熱が入っていた。ボディはトリコロールカラー、ゼッケンプレート風の大柄なサイドカウルなど、まさにトラックレーサーレプリカだった。
しかし期待したほど日本ではフラット・トラック・レースが盛り上がらず。FTRも思うように販売台数は延びず、4年ほどで生産終了に。ところが10年後、ストリート系のカスタムブームが来ると、カスタムのベース車としてFTRが注目の的に。FTR223となって再登場、10年の時を越えて大ブレークした。
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