掲載日:2024年06月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
250ccといえば2気筒が中心だった時代、スズキがついに4気筒のスポーツバイク、GS250FWをデビューさせ、ファンを熱狂させた。水冷DOHCの直列4気筒エンジン、これは量産車としては世界初。当時250ccクラスではダントツの人気を誇っていたヤマハの2ストRZ250、ホンダは4ストの VT250Fで対抗。そこへスズキは2ストスポーツのRGガンマに続けて、GS250FWを投入したことで250ccクラスはさらに活気付いた。
最高出力36馬力は当時としてはクラス最高、さらにエンジンは大幅に軽量化。角形パイプのフレームとスイングアームを採用するなどスズキの技術を投入。空力を考慮したフェアリング、セパレートハンドルなど最新のスタイルだった。
またフロントホイールは当時のスポーツバイクの定番、小径の16インチを採用。さらにGPマシン“RGB500”で培ったテクノロジーを各所に投入。フロントブレーキを強くかけた時の大きな車体の崩れを抑制する「ANDF」をフロントフォークに搭載。リアには快適な乗り心地を実現した「フローターサスペンション、ユニットのスプリング・イニシャル荷重を調整セッティングできる「RCPL」を装備するなど、足回りの充実度は高かった。
ここまで聞くとバリバリのスポーツバイクのようだが……、大柄で車重が重かったことから機敏性は低く、実はどちらかというとツアラー寄りだった。当時は速さ最優先の盛時代だったので、世界初の250cc4スト4気筒だけでファンを獲得するのは難しく。結局、不人気モデルとなってしまった。
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