掲載日:2024年03月08日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
スズキのオフロードバイクの代表と言えば2ストの「ハスラー」だった。シンプルな構造、軽量、ハイパワーなど利点の多い2ストだが、70年代の終わりごろから排気ガス等の問題などによって、主流は4ストへと移ろうとしていた。
4ストの波はオフロードバイクにも波及。ホンダXL250R、ヤマハXT250、カワサキKL250……4ストバイクが続々登場、残るはスズキだけとなった。2ストをメインに作っていたスズキも、モトクロッサー人気に後押しされ、ついに4スト250ccのデュアルパーパスモデル、DR250Sをリリースした!
新たに開発された、最高出力22PSを発揮する250ccの4サイクル空冷単気筒SOHCエンジン。4バルブのメリットを生かしたTSCC(2渦流燃焼室)エンジンで、クイックネスなスロットルレスポンスとフラットなトルク特性が特徴。さらに優れた吸入効率と燃焼効率により高燃費(テスト値で56.2km/ℓ)を実現していた。約38kgの軽量エンジンを軽量ダイヤモンド型のフレームに搭載、乾燥重量は114kgにまで抑えられていた。
もう一つの特徴はモトクロスレースでその高性能を実証していたフルフローターサスペンションの採用。非常に優れた作動性を持ったサスペンションで、腰が強く、長時間のハードランでも高い安定性を誇っていた。そしてタイヤはオフロードで強力なグリップ力を持つ新パターンのタイヤを装着。林道やダートでその実力を発揮した。
デザイン的な派手さはなかったが、実用的で扱いやすくオフロードに強いことから、ツーリングや林道愛好者からの支持は高かった。
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