掲載日:2023年07月21日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
昔の250㏄バイクのほとんどが、400㏄モデルのエンジンを250㏄にボアダウンしたものだったので、パワーがないのに車重は重いという欠点があった。
1975年に二輪免許制度が改正。それから高速道路が走れて、車検がなくて維持費が安いなど、メリットが多い250㏄が入門バイクとして脚光を浴びるようになった。そうなると各メーカーもこのクラスに力を入れるようになり、250㏄専用設計されたモデルが少しずつ登場するようになった。その代表モデルのひとつが1979年に発売されたカワサキのZ250FTだ。
市場に登場するとZ750FXを継承したスタイルにカワサキファンから歓声があがった。角基調はまさに憧れの“Z”スタイル。専用設計の軽量セミダブルクレードルフレームの採用などにより、乾燥重量は153kgと2スト並みに抑えられていた。4スト250cc並列2気筒空冷OHC2バルブエンジンは最高出力27馬力を発揮。1万rpmまでスムーズに吹け上がる高回転型のエンジンにクロスレシオの6速ミッション。鋭い加速性などから大人気となった。
足回りも充実。高品質のアルミ合金製キャスティングホイール、フロントφ230mm、リヤφ218mmの不等ピッチ孔ディスクローターを採用など、上位クラスに迫る内容だった。しかし、激動の80年代前半、ヤマハRZ250やスズキRG250ガンマの登場により時代はレーサーレプリカへ。そんな時代の中でもスポーツモデルとしてのポテンシャルの高さから、ツーリングバイクとして多くのファンがZ250FTを支持した。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!