掲載日:2023年05月26日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1968年、日本で初めて未舗装路(オフロード)も一般道も走れる“トレールバイク”と呼ばれる新ジャンルのバイクが誕生した。その名はヤマハ「DT-1」! 1967年の東京モーターショーで注目の的となり、翌年販売されると空前の大ヒット。その余波は“オフロードブーム”へと広がっていった。
DT-1のきっかけは北米だった。当時のアメリカではトライアルレースが人気で、荒野が広がるオフロードや山岳地帯をバイクで走り回る若者がたくさんいた。その様子を見ていた米国ヤマハが、今後は一般道もオフロードも走れる“トレールモデル”の需要が拡大すると考え、日本のヤマハへ開発をリクエスト。
最高のモデルを作るため、開発者は熱意をもって取り組んだ。その結果、スリムなボディにするため、単気筒ピストンバルブ方式のエンジンを選択。悪路での走破性を高めるためにロングストロークのサスペンションを採用し、極太タイヤを履かせた。最低地上高も高く設定し、アンダーガードを付けた。車重も徹底的に軽量化を図り、乾燥重量112kgを実現。完成度の高いバイクが出来上がった。
北米で発売を開始すると、初年度から販売計画の台数を大幅に上回り、すぐ品薄状態に。米国市場に変革をもたらすモデルとなった。
日本のみならず、海外でも“トレールバイク”という新ジャンルを作り上げたヤマハDT-1。そのエッセンスは360ccのRT-1、125㏄のAT-1へ受け継がれ、さらにミニトレの愛称で親しまれたFT50、GT50へと広がっていった。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!