掲載日:2009年02月26日 ノスタルジックバイクス
週末の朝、いつものように外の景色に目をやった。雨の日が続いてきたが、この日は透き通るような青空が広がっている。雲ひとつない…とまではいかないが、最高のバイク日和には違いない。どこへ行くあてもない。ただ気の向くままに走り出そう。雨上がりの空気は不思議とエンジンの調子がいい。タイミングを合わせキックペダルを下ろすと「トットットッ」とリズミカルな排気音を奏で始める。暖気をしながらいつものように煙草で一服。ちょうど1本を吸い終わり、エンジンが暖まってから走り出すのがいつものやり方だ。50年以上前に設計された、化石のようなバイクには乗り手側にも余裕と優しさが求められる。
川沿いの土手をのんびりと流しながら、見慣れた景色に目をやる。これまで何度見たかわからない眺めだが、毎日同じ景色が広がっているわけではない。季節の変わり目だと、昨日と今日で木々の色あいが違うのが明らかにわかる。もっとも、そんなことがわかるようになったのもこのバイクのおかげだ。コイツに乗り始めて、周囲にどんな景色が広がっているのか、意識して見るようになった。コンクリートだらけと思っていた街に、こんなにも緑が溢れていたとは…。それ以来、バイクで街を探検するのが週末の楽しみとなった。
このバイクはイギリスで誕生し、インドで育てられた。イギリスから極東の国まではるばる旅をしてきたのだ。私にとっては見慣れた景色でも、コイツにとっては生まれて初めて見る異国情緒溢れたモノなのだろう。私の街を再発見する相棒として、これほど相応しいバイクはない。今日も気の向くまま、この街を散策しようじゃないか。
Text and Photo/Termye
いつまで眺めていても飽きないバイクだ。
普段足を運ばない場所も足が伸びる。
さぁ今日はどこへ行こう。
ロイヤルエンフィールド ブリット350
ROYAL ENFIELD BULLET 350
■エンジン = 空冷4ストローク単気筒 349cc
■最高出力 = 18hp/5,626rpm
■最大トルク = 2.74kg・m/2,875rpm
■価格 = 57万5,400円(税込)
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