ハーレーダビッドソン FLSTCヘリテイジ・ソフテイル・クラシック

掲載日:2009年05月07日 ノスタルジックバイクス    

ノスタルジッックバイクス
ハーレーダビッドソン FLSTC
ハーレーダビッドソン FLSTC

徹夜明けの朝、時計を見るともう正午をまわっていた。窓の外に目をやると、まばゆい陽光と真っ青な空が目を刺す。「絶好の天気じゃないか」そうつぶやいた俺は、せっかくの休みを台無しにしたくはないと、革ジャンとヘルメットを手にアパートを飛び出し、愛車の待つ車庫へ。静かに佇むFLSTCヘリテイジ・ソフテイル・クラシックは、待ちくたびれた様子もなくスムーズにツインカム96Bエンジンを始動させてくれた。週に一度の大切な非日常のはじまりだ。重低音のエンジン音がもたらす鼓動を体に感じながら車庫を飛び出す。無機質なビルが林立する退屈な都内なんて、高速に乗ってパスすればいい。目指すは潮風を浴びられる湾岸線と、その先にある“旅の玄関口”羽田空港だ。

料金所に入ると、破顔したおじさんが声をかけてきた。
「いいねぇ、ハーレーかい? カッコいいねぇ。今日は天気がいいから、湾岸線を走るのは気持ちいいだろうね」
「うん、そうだね。楽しんでくるよ」と返し、ハイウェイへと飛び込んでいく。ヘリテイジは、誰が見てもハーレーだと分かる特別な一台だ。わずらわしい信号に停められることなく走っていると、脈打つハーレーの鼓動をゆったりと感じ続けられる。俺も立派なハーレー中毒だな…。ヘルメットの中で苦笑しながら首都高を抜け、湾岸線へと合流する。服の隙間から侵入してくる潮風が肌を刺激し、快感とともに体の表面を駆け抜けてゆく。スピードなんて必要ない。青空と溶け合う海を眺めながら、「空港中央」出口に差し掛かった。

第1ターミナルの出発口は、俺だけの特別な場所だ。愛車を停め、煙草をくゆらせながら空へと飛び立つ飛行機を眺める。それだけで、「旅」というものを強く意識することができる。ここ最近は仕事が忙しくて休みが取れないが、今度まとまった休みが取れたら遠出をしようか…。と、無意識のうちにヘリテイジに話しかけていた。「チン、チン、チン」と、マフラーが焼ける音がした。そこに存在するだけで、なんてことない景色を特別な絵に変えられる一台、ヘリテイジ。今度の旅では、俺にどんな絵を見せてくれるんだろう。

text/Daisuke Sato  photo/Hiroaki Tanaka

ハイウェイでもヘリテイジはよく映える。

ハイウェイでもヘリテイジはよく映える。

空港に来ると、「旅」を強く意識してしまう。

空港に来ると、「旅」を強く意識してしまう。

俺の大切な相棒。またロングを計画しようか。

俺の大切な相棒。またロングを計画しようか。

spec

ハーレーダビッドソン FLSTC
Harley-Davidson FLSTC HERITAGE SOFTAIL CLASSIC

■エンジン = TWIN CAM 96B(1,584cc)

■サイズ = 全長2,400×全幅952×全高1,408mm

■ホイールベース = 1,700mm

■最低地上高 = 130mm

■加重時シート高 = 648mm

■タンク容量 = 18.9L

■価格 = 243万4,000円(モノトーン), 246万5,000円(ツートン)

取材協力

住所/東京都港区芝4-2-3 NOF芝ビル
電話/03-3457-0991
URL/WEBサイト

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