日本全国モトクロス攻略ガイド

【Vol.01】オフロードヴィレッジを攻略する 1

掲載日:2008年12月15日 オフロードライテク講座日本全国モトクロス攻略ガイド    

オフロード走行に味を占め、積極的に攻め込みたいと思うライダーも少なくないだろう。クローズドコースでは同じ場所で反復練習することができ、自分のライディングをじっくり探ることが出来る。少しでも速く走りたい、よりコンペティティブなスキルアップを目指したい方のための実践マニュアル、それが『step up モトクロス』だ。

ハイスピード+連続ジャンプ、テクニックに差が出るコースの攻略法

コース埼玉県オフロードヴィレッジは、全日本モトクロス選手権、チャリティスーパークロスなどが開催される、関東でも屈指のモトクロスコース。そのメインコースであるBコースの攻略ポイントを紹介していこう。

このコースは全体的にフラットで硬い土質。ハイスピードなコース設定で、テクニックの差がでる連続ジャンプも多く設けられている。そのなかで今回ピックアップするのは、コースイラスト(1)のコーナー。ここはコーナーの幅は広くはないのだが、脱出後に2連ジャンプがあり、タイムを出すためには、アウトのバンクを使って加速し、2連を跳ぶのがベストラインとなる。イン側から行くと2連は跳べないのだが、立ち上がりのラインをクロスさせることでパッシングすることができる。

イン側のラインを使うときのポイントは、できるだけクイックに曲がること。ブレーキングの段階からマシンを傾け始め、わだちに入るときにもまだフロントブレーキを引きずっておく。ブレーキを掛けていることでフロントフォークが縮んでキャスター角が立ち、クイックに曲がることができるのだ。

またベストラインのアウトから走るときのポイントだが、このコーナーのバンクは硬く締まっているので、バンクに当てて急激に向きを変える走りではなく、バンクに沿って曲がっていく方がベター。土が硬いので「当てる」と衝撃が大きく、ライダーの疲労をまねくからだ。ただ、ここぞというときに、バンクに「当てる」コーナーリングでライバルを牽制するのはありだろう。

インとアウトを使い分ける!

(1)のコーナーでは進入直前にジャンプがあり、着地後すぐにブレーキングとなる。アウト側はバンクとなっていて、イン側は数本のわだちがある。コーナー脱出後は2連ジャンプ。オフロードヴィレッジBコースのようなハイスピードコースでは、ブレーキングの勝負が重要になる。自分でブレーキングポイントがうまく決められないようなら、ライバルについて走り、相手のブレーキングポイントを見極めよう。「ここぞ!」というときに、ライバルより奥に突っ込めるようになればしめたものだ。

アウトラインのポイント

ここのバンクは硬く締まっているので、バンクに当てて方向を変えようとすると衝撃が大きい。バンクにはアウト側から鈍角に入って、バンクなりに方向を変えていこう。

アウトから進入しようとすると、手前のジャンプの着地がギャップになっているので、飛距離の調整が必要。バンク自体の高さはないが、ラインが出来ていて、そこが一番グリップの良い状態なのでそのままバンクに乗って加速していく。コーナー立ち上がり後はすぐにジャンプで、アウト側のラインを使えば十分に加速でき、2連を跳べる。

インラインのポイント

イン側の場合は、ジャンプ着地→ブレーキング→コーナーリングという一連の動作を素早く行わなければならない。そこでブレーキングの最中からマシンを傾け、コーナーリングの姿勢を作り、わだちに入った瞬間にマシンの方向をクイックに変えられるようにしよう。

進入前のジャンプの着地と同時にブレーキングを開始。わだちをバンクとして使用し、一気にマシンを倒してマシンの方向を変える。このときフロントブレーキを引きずることで、フロントフォークを縮めキャスター角を立てる。立ち上がりのラインをクロスさせることでアウトから来るライバルを抑えることができるが、次の2 連ジャンプは跳びきれない。

オフロードヴィレッジ

オフロードヴィレッジ

数多くのモトクロスチーム、モトクロスショップがある川越市のオフロードヴィレッジ。広大な敷地に、スーパークロスコースのようなセクションが連続するAコース。全日本モトクロス、エンデューロが開催されるBコース、初心者コース、キッズコースが設定されている。平日でも練習可能で、休日でレースが開催されていても、それ以外のコースは走ることができる。レンタルバイク・ウエアも豊富に用意されているので、手ぶらでモトクロスを楽しむこともできる。

東福寺保雄
インストラクター
東福寺保雄

全日本モトクロス選手権で前人未到のV9を達成した経歴を持つ。現在はモトクロスチーム「T.E.SPORT」の監督として全日本に参戦。選手としてもライディングスクール講師としても、豊富なキャリアを持つモトクロスのエキスパート。

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