掲載日:2009年03月10日 林道ツーリング情報局 › 関西エリア
このコンテンツはガルル275号(2009年2月6日発売)掲載の記事をもとに再編集したものです。
京都市に前回訪れたのは桜の季節。冬の京都は、そんな華やかさはないけれど、落ち着いた雰囲気で素敵だった。京情緒あふれる町並みの祇園では舞妓さんが行き交い、メタボリックMASAさんはかなり気になる様子。当然だ、女性の私からしても、美しいと思うのだから。
祇園の町を後にし、京都盆地の北西にある嵐山に移動した。バイクを降りて歩いてみた。緩やかな嵐山、朝日に照らされた桂川、渡月橋の下で遊ぶユリカモメ。そんな日本情緒豊かな風景は、屏風絵を見ているような気もした。いっぽうで、はっぴを着たお兄さん達が重いはずの人力車を満面の笑顔で走らせていて、活気に満ち溢れていた。
バイクに戻り、林道に向かった。奥嵯峨を通過するときに、愛宕街道を経由した。明治という時代にタイムスリップしたような、古い民家が立ち並ぶ曲がりくねった石畳の坂道を、ゆっくりと2台並んで走った。この道は初めて走った道で、地図を見るかぎり、合流する国道477号までの距離は17kmと短いが、山間部のクネクネした道を走るので時間をかせいでしまうことが想像できる。そんな理由からいままで避けていたルートだったんだけど、こんな所に国の重要伝統的建造物保存地区があったなんてちょっとラッキーな気分になった。
愛宕街道を抜け県道50号に入ると、案の定見通しの悪い道になった。そしてじれったいくらいに続くコーナーをまわるたびに、景色が真っ白になっていった。あまりの美しさに歓声をあげ、写真を撮って楽しんでいたがそれもつかの間。たまにズルッと滑るタイヤに、心躍る気分は何処かにフッ飛んでしまった。
「私達って、林道ツーリングに来たんだよね!?」
「うーん、ちょっとヤバイかもね…。スキーに行く気分だなあ」
そう言われれば、これってスキー場に向かう風景そのもの…。そんな会話をしながらも、まずはどうしても4年後に全線完成すると言われている、開設中の林道状況を確かめたくて、メタボリックMASAさんを口説き、丹波地域を東西に横断する丹波広域基幹林道にやって来た。
残念ながら入口付近は雪に閉ざされていた。歩くのも大変なくらいの積雪だったが、道路状況が書かれた看板が出ていないかを見に行った。しかし入口には頑丈なゲートと、通行止の看板が立てられていた。実はこの林道、5つの林道がつながれば総延長約60数kmにも及ぶというスゴイ距離の林道なのだ!舗装されないことを祈りつつ、「完成したらまた来ようね!」って、至福のダートランを夢見て、来た道を引き返しました…。
この後、定番だけど日置林道に向かった。積雪はあるが、どうにか走れそうだ。うさぎの足跡を追いかけるように、ドキドキしながら林道に入っていった。峠前後にある急坂が心配だったが、そんな心配は無用だった。だって、そこまで辿り着けなかったのだから…。ミニバイクと違い、自分の体重の3倍はあるセローではまともに走れなかった。でも、すぐ後ろには頼れるメタボリックMASAさんがいる、その安心感は大きかった。ソロでは絶対に楽しめない雪道を、力を合わせて行ける所まで行ってみた。でもこれ以上は無理という所で、いきなり始まった雪合戦! なんだかテンション上がりまくりのメタボリックMASAさんに、逃げ回る私がいた。ひとしきり遊んでから再出発。すると後ろで「ドォ~ッ!」という大きな音が。振り返ると、見上げる樹木に溜まっていた雪が耐えきれず、たまたまWRに跨ったメタボリックMASAさんの上に命中…。
「メタボリックMASAさん、目が点になってますけど、大丈夫?…じゃないよね(笑)」
国道162号を北上し、次の目的地である堀越トンネルの京都側に到着。
「あれっ、旧道に入る入口がないんだけど…?」
よく見ると雪で入口がふさがっていて、そこへ除雪車が雪をかきながらこっちへ向かって走ってきた。走ってバイクに戻り、移動した。堀越トンネルを抜け、福井県側の入口に行くと、目印となる名田庄の文字が入った大きな青色の看板があった。でも、北側からの進入もムリだった。
雪に閉ざされるこの季節、1エリアで幾つもの林道がある地域を選んだけれど、そうあまくはなかったのだ。さらに、1月のこの時期、午後4時には日は西に傾いてしまう。なので、予定していた福井県の小浜市まで行くことは難しそうだ。なのにどうしても「オバマまんじゅうをお土産に買いたい!」というメタボリックMASAさんはほっといて、そろそろ帰るとしましょう。
さて雪遊びもしたし、次回は大地のように続くダートを2台で駆けたいと思うのでした。
奥嵯峨の念仏寺周辺は石畳の街道として有名な愛宕街道や古風な街並みが続く。落ち着いた情緒を楽しみながら食事や休憩ができ、約8000体に及ぶ石仏、石塔で有名な仏野念仏寺もある。一方通行なので南東側からどうぞ。
京都盆地の嵐山には、日本三大美竹林の一つと言われている、嵯峨野竹林の道がある。竹林がそよぐ音は、環境庁の「残したい日本の音100選」にも選ばれ、竹の香りと優しい緑色に癒される。
せっかく来たんだもの走りたいよね。その気持ちは一緒だった。メタボリックMASAさんの「まあ取りあえず行ける所まで行ってみよう!」というバイク乗りにありがちな一言(笑)に「そうだね」って、うなずいてセルを回した。雪をかき上げながら少しずつ前進。けっこう行けちゃうんだ、スゴイ!
古都芋本舗の芋饅頭、1個150円。裏ごししたさつま芋の六面を胡麻の入った生地につけて焼く。芋と胡麻が香ばしく「きんつば」のよう。
住所/京都市右京区嵯峨天龍寺立石町2-1
電話/075-864-1212
祇園、京のおばんざい。一見さんお断りの格式の高い料亭もあるが、肩肘張ることなく、揚げたて生麩や、ゆば入り湯豆腐など伝統的で風流な美味しい京料理が味わえる店もある。
住所/京都府四条花見小路下ル二筋目東入ル
電話/075-541-6100
珈琲の香り漂う「ログテラスかぐら」。県道19号上にあり、カレーなどの食事のほかに、ワッフル、ケーキと甘いものもある。ツーリングの休憩にどうぞ。
■京都府南丹市日吉町佐々江道奥谷23
0771・73・0670
京都府の山中に位置する日置林道と旧道堀越峠を走る予定が雪で走行不能。工事中で現在はゲートが閉じている丹波広域基幹林道は、完成すれば関西最長の林道になる予定だ。
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