全日本エンデューロ選手権 第3戦 ラウンド3/4日高2デイズエンデューロ

掲載日:2014年10月06日 フォトTOPICS    

文/三上 勝久(FRM)  写真/原田 瑠菜  取材協力/MFJ 全日本エンデューロ選手権

1日目は4位だったものの、2日目には鈴木 健二に続く2位に入った太田 真成。次戦SUGO 2DAYS ENDUROは欠場が決まっているのが惜しい!

好天に恵まれた北海道 日高
その地で開催されたハードエンデューロ

2013年の夕張から日高に舞台を移し、全日本エンデューロ選手権北海道大会が2014年の9月20日・21日で開催された。JEC ラウンド3戦と4戦にあたり、俗に日高ツーデイズエンデューロと呼ばれるものである。この日高ツーデイズエンデューロ(HTDE)は、その前身と言えるインターナショナル2デイズエンデューロが初めて開催された1984年から数えて、今年で30周年。最初はクロスカントリー形式であったこと、途中数回の開催中止はあったものの、長くライダーたちに愛されてきたからこそこれだけ長く続いてきたのだと言えるだろう。街から自然に入りまた街に帰る……という、ヨーロッパで開催されている世界選手権やISDE(インターナショナルシックスデイズエンデューロ)同様のスタイルで開催され続けている、日本では数少ない生粋のエンデューロであることもその人気の理由だ。

今回の日高は、昨年までよりもややコースを拡張した1周約44kmのコース。本部になる『ひだか高原荘』前からスタートし、川(河原ではなく川だ)、山、林道、舗装路、牧場、河原とありとあらゆるオフロード路面を網羅するコースとなっていた。参加したライダーは定員を超える121名。さらに、コースを著名ライダーの先導で体験走行できるフリーライドにも多数の希望者が集まり、遅くに申し込んだ人はキャンセル待ちになったほどの人気を博していた。

あらゆるオフロードスキルを試されるハードなコースではあったが、天候は2日間とも汗ばむほどの好天。しかしタイム設定がかなり厳しく、DAY1はIAでもすべてのライダーが遅着(指定時間に間に合わない)するほど厳しい内容だった。それでも、「手応え、緊張感がある」と評価される素晴らしいコース設定であった。もっとも、制限時間である1時間を超えてしまい失格となる選手も少なからずいたが……。

そのハードなエンデューロでもっとも注目されたIAクラスでは、DAY1で釘村 忠、DAY2で鈴木 健二がそれぞれ優勝。連勝街道を行く鈴木を1日目で抑えた釘村だったが、2日目は朝からエンジンの不調に見舞われ、ファイナルクロスに出走できず3位に。IBクラスは激しいランキング争いとなっている柳原 博一と小菅 泰輝が勝利を分けあう結果となった。

フォトTOPICS(写真点数/17枚)

01真っ青に晴れ上がった日高の空の下、ハードなコースに出かけていくライダーたち。会場にはオーロラビジョンが設置され、テスト(区間)の模様が常時ライブ中継された。

02今回は自走で参加するライダーが増えていたのも印象的だった。写真は昨年も自走で参加したIAライダー、和泉 拓。自走でも参加でき、楽しめることを広めようとしている。

03ナショナルクラスにXLR250Rで自走し参加していた小島 健太郎さん。前後にツーリングを楽しんでいた模様。

04シーズン後半に向け1日目3位、2日目4位と着実にポイントを稼いだ内山 裕太郎。自然のコースを得意とするエンデューロライダーの実力を発揮した。

05IAを走る小菅 浩司の息子である小菅 泰輝は、IBチャンピオンを狙える立場にいる若手ライダー。ファイナルクロスでは親子でのアグレッシブなバトルを見せてくれた。

06小菅 泰輝とIBチャンプの座を競り合っているのは柳原 博一。DAY1を1位、DAY2を2位と確実にトップ争いに入ってくるステディなライディング。

07やはり自走で参加した、愛知の伊藤隆文さん。マシンはヤマハWR250Rだ。日高終了後1週間近く北海道を旅してから帰る予定だったが、その後ケガして入院されたとのこと。お大事に!

08自然の山の中を走るコースは、日高ならでは。時にラインを見失うほど広大なフィールドを走れる。しかし、ところどころにどっぷりはまってしまうような谷地(ヤチ)もあり、数人のライダーがそこでリタイアを余儀なくされていた。

09牧草地を気持ち良く駆け抜ける吉川 和宏。自然の風景以外なにもない、北海道 日高ならではの雄大な自然の中を走る。地元の協力も実に大きい。このイベントが地元からも愛されていることがわかる。

10場所によってはかなり深く掘れている場所もあり、ライン取りが勝負の決め手になった。タイム設定がかなりタイトなので、うっかりはまってしまうと遅着間違いなしといった緊張感があるエンデューロだった。

11テストは2本。林道がメインのエンデューロテストと、スキー場を使用してのクロステストだった。空まで駆け上がるような急勾配のゲレンデを、選手たちは全開で駆け抜けた。

12DAY2には、ファイナルクロスのコースを使用してビンテージモトクロスイベント、V-OFF HIDAKAも例年通り開催。往年のマシンが爆音で迫力のレースを見せた。ライダーは北海道出身、在住のレジェンドライダー、源 治篤。

13初日こそ釘村に敗れたものの、DAY2にはしっかり優勝してタイトルにまた一歩近づいた鈴木 健二。今年はヤマハWR250Fでの参戦だった。

14深く掘れたヤチを行くライダー。舗装路、林道、ガレ場、ヤチ、急坂、草原とあらゆるオフロード路面を楽しめたエンデューロだった。

15定員を超えるライダーが集まる人気となった2014年の日高ツーデイズエンデューロ。JECではマシンはこのようにパルクフェルメに保管され、許可されたわずかな時間以外は整備できない。マシンを壊さない走り、壊しても直せるスキルも求められる。

16ビンテージモトクロスに参加していた車両。KTM JAPANの社長である野口 英康さんも2台の希少車を持ち込んでいた。ほかにも新車と見紛うほどキレイに整備された往年の名車がズラリ。

17DAY2になると、深く掘れてスタックするライダーも増加。しかし、コースマーシャルが適宜穴を埋めていたたため、渋滞が起きるほどまでにはならなかった。マーシャルを務めたのは地元の『日高モーターサイクリストクラブ』の面々だ。

18DAY1では鈴木を1分以上引き離しての快勝、遅着もゼロと素晴らしい速さを見せた釘村だったが、DAY2は朝からマシンが不調に。ファイナルクロス前にはエンジンがかからなくなりペナルティを受け、3位となった。

192日間の締めくくりはファイナルクロス。日高高原荘前のスキー場ゲレンデに特設されたコースでの、モトクロスだ。写真はC、C-Wクラスの模様。

20ナショナルクラスのファイナルクロス1ヒート目。モトクロスではあるがこれもテストであり、走行時間がテストの合計に足されて総合順位を決める材料となる。ホールショットは大林 旭、後ろに続いているのが三上 勝久(自分)と北村 久志。

21ナショナルクラスの優勝は両日とも真田 治が獲得。2日間で1位でなかったテストは1つだけという、突き抜けた速さだった。JNCC AAライダーの面目を立てた。ファイナルクロスもぶっちぎり!

22ファイナルクロスでホールショットを獲得、鈴木 健二と熱いバトルを見せてレースを盛り上げたのは地、元北海道のIAライダー永木 雄二。IAモトクロスライダーを向こうに堂々たる走り。

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