レッドブル・エックスファイターズ 2013 第4戦 大阪 Part1

掲載日:2013年06月11日 フォトTOPICS    

文・写真/ダートライド編集部  取材協力/レッドブル・ジャパン

日本人予選で最初のランとなった加賀 真一選手。モトクロスでまだ2ストロークが全盛だった時代に、スズキファクトリーに所属しながらFMXも兼業していた数少ないライダー。

快晴のもと行われた前日予選
1人枠をかけた日本人同士のバトルも

アジア初開催となり2013年6月1日(土)の本戦では1万1千人を動員した、レッドブル・エックスファイターズ 2013 第4戦 大阪大会。前日には、日中に公式練習と故佐藤英吾選手が残した枠1つをかけた日本人予選が行われ、夕方からは12人による予選が行われました。この2日間に渡ったフリースタイルモトクロスライダーたちの熱き闘いの様子を、土曜日と日曜日の2つに分けてお届けしようと思います。

今回は、土曜日の日本人予選の様子に、この日だけ許されたパドック&コースの取材、そして19時から行われた予選の模様です。日本人予選は用意された1枠を5名のライダーが争うもので、選ばれたライダーは鈴木 大助、加賀 真一、釘村 孝太、鈴木 耕太、渡辺 元樹選手。13時から行われたランの選抜形式は、この5名が90秒のランを2回行い、ジャッジ。2本中、良い方のスコアが採用され、最高スコアを獲得したライダーが、夕方からの予選に進出可能です。加賀 真一選手から始まったランは、最終的に鈴木 大助選手が最高得点をマークし、本予選にコマを進めました。

翌日と同時刻に開始された本予選は、いよいよ海外の選手とここ大阪が地元になる東野 貴行選手が加わり、12名でスタート。90秒のランを2回行い、スコア方式で競い合い7名のライダーが勝ち残りました(トーマス・パジェス、東野貴行、リーバイ・シャーウッド、ダニー・トーレス、アダム・ジョーンズ、ロブ・アデルバーグ選手)。日本人予選を勝ち抜いた鈴木 大助選手は、残念ながらここではコマを進める事が出来ず、翌日の1番はじめに行われるラウンド1で再選を狙う格好になりました。

さあ、次はいよいよ本戦です。その様子は6月13日(木)にお届けします。

※写真に付されたトリック名表記は、写ったその状態で判断しています。トリックは、ライダーが思っていたものがミスで実際は異なるかたちになったり、MCのアナウンスも100%正確ではないため、正誤がある事をご了承下さい。

フォトTOPICS(写真点数/86枚)

01大阪城公園 西の丸庭園特設会場は、庁舎などのビル群が隣接するロケーションで、高層ビルをバッグのトリックは練習と予選だけで見られた貴重なショット。トリックは、ウェブ・エアプレーンのように見える。

02ロックソリッドという大技をキメる、加賀 真一選手。両手でシートを掴みながら身体を大きく伸ばす“ダブルグラブ”の状態から、更に両手を大きく広げる。かたちの美しさもジャッジの対象となる。

03大阪城をバックにターンダウン、というアメージングな一瞬。ターンダウンは、バイクを垂直に立てたまま左右に大きく振るトリックで、写真の場合、加賀選手が見ている向きが飛んでいる進行方向。

04採点を見守る加賀 真一選手。競技歴の長さはそのまま故佐藤英吾選手との関わりの深さであり、彼の残してくれた日本人の夢=1枠への想いは強いだろう。最初のランは、76.30ポイント。

05次に登場した鈴木 大助選手も、大阪城と夢の饗宴。ダイスの愛称で長年活躍する、日本を代表するフリースタイラーのひとり。彼の得意技でオリジナルトリックでもある“マツリ”か?

06このように見ると、下に地面があって、その上で左手を挙げ“挨拶”をしているだけに見えるが、もちろんジャンプ中の1コマ。小技を余裕で入れるところにも、彼のキャリアの長さを感じさせる。

07鈴木 大助選手もはじめのランを終え、採点を見守る。彼もまた、2002年には佐藤英吾選手と同時に海外デビューするなど、今大会にかける想いは強い。点数は、80.20ポイント。

083番目に登場したのは、釘村 孝太。日本国内でかなり早い段階にプロFMXライダーを宣言し、それだけに常にこの世界を厳しい目で見続けている。英吾選手を含む、日本人フリースタイラートップ3の1人。

09日本である事を一瞬忘れる光景。バックフリップをしながらさらに下半身をここまで大きく離し、そこからランディングに持っていく派手なモーションは、ただただ圧巻。

10バックフリップは今や、日本人ライダーにもフリースタイルモトクロスでは定番のトリックになったようだが、そこから片手を離したままランディングに持っていく釘村選手。着地のシビアさは想像に難くない。

11ここまでバイクから身体を離してトリックを入れ、そこからバイクに戻りながらランディングへのシークエンスに持っていくハードさたるや、一般の人はおろか、普通のオフロードバイク乗りにも驚きだろう。

12釘村 孝太選手もはじめのランを終え、「さあ、どうだ!」というジェスチャー。プロを自認するからこそ、魅せる事を誰よりも意識する、彼らしいパフォーマンス。採点はやや振るわず、73.50ポイント。

134人目の日本人ライダーが登場。今回の選抜者の中で最年少になる渡辺 元樹選手は、レースからフリースタイルモトクロスの世界に転向して来たライダーで、その影響かFMXではまだ少数の4ストロークマシンを操る。

14渡辺選手がよく見せるルーラー・フリップを、大阪城でもメイク。重たい4ストロークバイクを綺麗に立てながら、身体も見事に垂直に立たせた抜群のスタイル。KX450Fはノーマルでも112.5kgの質量だ。

15名称は分からないが、これもかなりバイクから身体が離れる、高難易度のトリック。クリーナーボックス部を大きくカットしたグラブホールは、フリースタイルモトクロスには必須のモディファイ。

16会心のランだったのか、思わずガッツポーズが出た渡辺 元樹選手。西日本を中心としたTHUG WAYという、釘村 孝太選手と同じチームに所属し、エリアを盛り上げる。採点結果は78.70ポイントと、この時点で2位。

17日本人予選1本目最後のランとなった、鈴木 耕太選手。彼も1988年3月生まれの若手ライダーで、今後のさらなる活躍に期待が集まる。バックフリップ中に両手を離す高難易度のトリックを、さっそくメイク。

18身体をバイクの上に持ってきながら下半身を激しく動かす、派手なトリックを魅せる。上体も大きくジャッジ席に振り向け、強烈に自身を印象付ける若手らしいアピールセンスを発揮。

19フェンダーキスのような状態でさらに強烈にエビぞりを入れると、まるでバックに写る大阪城のしゃちほこのように見える。日本人にしかわからないセンスかもしれないが、ばっちりハマる。

20バイクと身体の接点が足とハンドルだけになるという、エキセントリックなスタイルになるクリフハンガーをキメる鈴木選手。宙を舞うバイクの上でこのような驚異的なパフォーマンスが繰り広げられるのが、フリースタイルモトクロスの魅力。

21ランを終え、テーブルトップ上でアクセルターンを入れる元気の良さ。TEAM DREAD KALIに所属し、これからも日本のフリースタイルモトクロス界をグイグイと引っ張っていくだろう。採点の結果は、75.40ポイント。

222本目のランも終え、テーブルトップ上に集まった5人の日本人ライダー。誰もがライバルであり、強力な仲間でもある。フリースタイラーの結束はとても強い。

232本のランをまとめた採点の結果は、鈴木 大助 80.20、釘村 孝太 79.10、渡辺 元樹 78.70、加賀 真一 78.60、鈴木 耕太 75.90となり、鈴木 大助選手が貴重な1出場枠を獲得。次は、夕方から行われる本予選だ。

24日本人予選が終わった後、メディアセンターで記者会見が行われた。ディレクターのテス・セウェル氏、海外ライダーのトーマス・パジェス選手とリーバイ・シャーウッド選手、本予選に出場する日本人ライダー、東野 貴行選手と鈴木 大助選手が登場。

25ラモーンズのTシャツとスウォッチのオフィシャル腕時計でキメてくれた、テス・セウェル氏。まずは、「この素晴らしいロケーションへようこそ」と挨拶し、それから親交が深かった佐藤英吾選手の力でこのイベントは実現した事を強く伝えてくれた。

26次に、鈴木 大助選手に念願の母国開催について尋ねると、「とてもうれしいし、英吾がなにより楽しみだっただろうね。当初は裏方として支えるつもりだった」と答えてくれた。やや歯切れ悪く、嬉しい半面悔しい想いはどうしても晴れなかったようだ。

27マイクを取った東野 貴行選手は、「今回の大会が今後に繋がれば」と、開催を喜ぶとともに日本でのFMXシーンに言及した。また、大阪が地元だけに「チケット、くれくれと大変だったよ」というエピソードも飛び出した。

28リーバイ・シャーウッド選手は「タイトなコースに見えるがどう?」という問いに、「ベーシックなコースだが、ジャンプが多くて面白い」と答え、「トリックの数を持ったライダーが有利?」という質問には「確かにそうだけど、自分のスタイルをいかすのが一番だね」と答えてくれた。

29英吾選手を敬愛していたトーマス・パジェス選手は、「自分はビッグなトリックが多く身体にも負担あるが、それを出し切りたい」と話し、「今回の大会は楽しみたい、というライダーが多いが?」という問いには、「大阪に来れた事が幸せ。タフなイベントだし、自分のキャリアの中でも大事な一戦になる」と答えてくれた。

30記者会見が続く中、突如FMXバイクに乗ったライダーが乱入。本戦出場はないが、今回の大会のツアー役を担った、ロニー・レナー選手だ。闖入者の登場で湧く会場も、FMXならでは。

31ロニー・レナー選手は夕方の予選に出るマット・レボー選手のバイクを使い、特徴的なFMXバイクの解説をしてくれた。この後、彼はコースガイドも担当してくれた。

32大会期間中、一般メディアには唯一許されたパドック取材タイム。コースからは離れており、レッドブルエックスファイターズ大阪は、基本、選手はラン以外はここに待機するスタイルになった。

33パドック取材と同時にやはり唯一許されたコースツアータイムでは、ロニー・レナー選手がライダーならではの目線でガイドをしてくれた。大阪大会のゲートはこのようになっていて、彼いわく「ライダーはここをくぐる時が一番緊張する」という事だ。

34西の丸庭園特設会場はその特性上、大地の上にあまり重量物を載せる事が出来ず、そのため今回、コース設計者は盛土の土台を発泡スチロールで組んでベースインパクトを軽減する工夫をしたという。

35土台に寄って見たところ、たしかに巨大な発泡スチロールのブロックを積み上げて盛土のベースとしていた。コース設営ひとつとっても、日本で開催された事はとても意義のある話しなのだ。コース設計は、ダン・ヘレンをリーダーとした集団。

36ロニー・レナー選手は他にも、コースの細かい話しやライダーの気持ちを解説してくれ、時にコースを歩く時、FMXに不慣れな一般メディアを気遣うシーンもあり、とてもナイスガイなライダーだった。

37盛土の上から見たレフトサイドコースのイメージ。スタンド席はまだガラガラだが、翌日の本戦では立ち見まで含め1万1千人の観衆が会場を埋め尽くしたので、ライダーは歓声の渦の中でトリックに挑戦したのだろう。

38パドック取材とコースツアーが終わると、選手の練習時間が2時間確保され、そしていよいよ19時から本予選が開始された。12人の中から、スコア形式でトップ7名だけがラウンド2に進める(ラウンド1は敗者復活戦)。

39コントロールタワーにも明かりが灯され、いよいよ本予選スタート。出走順は、鈴木 大助、マット・レボー、アダム・ジョーンズ、トッド・ポッター、ハビエル・ビレガス、東野 貴行、デビッド・リナルド、ジョシュ・シーハン、リーバイ・シャーウッド、ロブ・アデルバーグ、ダニー・トーレス、トーマス・パジェス選手。

40ライトアップされ日中とは異なる雰囲気の中、1番手ライダー鈴木 大助選手のランがスタート。大阪城も照明が灯り、それをバックにナックナックをキメる。

41鈴木選手のランの時間帯は暮れゆく夕闇がとても幻想的で、その情景の中に飛び込んでいくように繰り出されるトリックの数々が独特の雰囲気となった。彼は、バイクの上に上体を投げ出す豪快なトリックが多い。

4290秒の1本目ランを終えた、鈴木 大助選手。採点結果のスコアは、78.30ポイント(満点は100ポイント)。まずまずの滑り出し。

43続いての登場は、マット・レボー選手。フリースタイルモトクロスのキャリアは長く、2008年にはレッドブルエックスファイターズのシリーズチャンピオンを決めている。

44バックフリップ中にナックナックを入れてくる高難易度のトリックをメイク。マット・レボー選手も車重では振り回し難い4ストロークマシンを操るが、それを感じさせない腕の持ち主。

45ランを終えて採点を待つ、マット・レボー選手。表示された得点は81.80ポイントとさすがの貫禄だが、まだ10名のライダーが残っているので油断は出来ない。

46採点結果が出ると、まだコース上に残っていた鈴木 大助選手もテーブルトップに上り互いを称え合う。フリースタイラーは、言語の壁を超えて仲間になれる素晴らしい気質を全員が持っている。

473人目のライダーは、アメリカ出身のアダム・ジョーンズ選手。ヤマハのバイクにモンスターエナジーのヘルメットと、東野 貴行選手と外観が似ているが、見分けるポイントはフォックスのジャージとブーツ。

48アダム・ジョーンズ選手の1本目のランはたいへんキレのあるもので、次から次へと豪快なだけでないスタイリッシュなトリックをキメていく。グラブホールを片手だけで掴み上体は高く跳ね上げ、大阪城とベストマッチなトリック。

49次に走る同じアメリカ人のトッド・ポッター選手もテーブルトップ上にあがり、採点が出るのを見守る。5人が振り落とされるので、1本目のランとはいえ、真剣な眼差し。結果は、84.70ポイントと高得点。

50トッド・ポッター選手のランもスタート。彼もフリースタイルモトクロス歴が長く、今はアメリカの名門チーム、メタルマリーシャに所属する。バイクの上に完全に寝て一直線となるレイジーボーイ。オーソドックスなトリックだが、難易度はもちろん高い。

51重たい450cc4ストロークバイクを直線に立て、自身もそのライン上に身体を跳ね上げる完璧なルーラー・フリップ。下から照らされる明かりの効果もあり、まさにショウ・タイム。

52「どうだ!」という雄叫びが聞こえそうな、1本目のランを終えてのトッド・ポッター選手。この後、アダム・ジョーンズ選手と一緒にスコアボードを見ながらの採点は、77.40ポイントとやや伸び悩む。

535人目のランは、チリ出身のライダー、ハビエル・ビレガス選手。2012年のレッドブルエックスファイターズで4位という実力の持ち主。写真のトリックは英吾選手も得意とした、コルドバ・フリップ。

54バックフリップをしながら両手をハンドルから離すという、これまた高難易度のトリックも魅せる。バイクを見ると、彼も4ストロークマシンを操っている。1本目のランを終えての結果は、83.70ポイント。

55いよいよ東野 貴行選手が登場。拠点を日本からアメリカに移しそこから大躍進し、今やフリースタイルモトクロス界で彼を知らぬ者はいないライダーにまで成長した。バックフリップ中に上体を伸ばし、かたちも綺麗にキマっている。

56大阪城をバックにケーオーディーをキメる。素人目に見ると、東野選手は大柄の技はそれほど多くない印象だが、バイクの上で身体を複雑に動かす難しいトリックを多く持ち、そこが高評価のポイントらしい。

57トッド・ポッター選手と並び採点結果を待つ東野 貴行選手。ここ日本で、日本人ライダーが著名な海外フリースタイラーと肩を並べて走る瞬間は、彼も多くのファンも待ち望んだだろう。採点は、86.90ポイントと、この時点でトップに立つ。

58デビッド・リナルド選手が登場。2ストロークバイクならではの白煙が僅かに残る中、綺麗なフォームのトリックをメイク。トリックの成功だけでなく、スタイリッシュさも要求されるのが難しさ。

5990秒のランを終えジャッジによる採点を待つ、デビッド・リナルド選手。出された点数は81.70ポイントと、決して低くはないのだがライバルが健闘するのでやや厳しい数値。

60この日、誰よりも公式練習でランをしていた印象を受けた、ジョシュ・シーハン選手。オーストラリアのライダーで、2011年シドニー大会で優勝している。バックフリップをしながらレイジーボーイを入れる高難易度トリックをメイク。

611本目のランを終えたジョシュ・シーハン選手。ジャッジにアピールしながら、採点の結果を待つ。得点は、残念ながら振るわず73.10ポイント。

62レッドブルエックスファイターズきってのイケメンライダー、リーバイ・シャーウッド選手がいよいよ登場。2012年のシリーズチャンピオンは1本目のランから攻めてくる。大技のロックソリッドをメイク。

63宙を舞うバイクの上で身体を大きく挙げて、さらにそこから激しく振る、リーバイ・シャーウッド選手らしい枠に収まり切れないトリックをメイク。

64ランを終えてテーブルトップ上でジャッジにアピールする、リーバイ・シャーウッド選手。採点は86.20ポイントと高得点に持ってきたが、東野 貴行選手が0.7ポイント上回るという驚きの結果となった。

65前戦、グレンヘレン大会で優勝した、ロブ・アデルバーグ選手。2012年ドバイ大会でも2位に入り、次の世代と言われるライダー。見事なクリフハンガーを魅せる。

66得意のトリックなのか、空中でバイクの横に完全に立って走るような動作をするトリックを多く披露。高難易度なのは想像に難くないし、ランディングまでに綺麗に身体が元に収まるのは見事としか言い様がない。

6790秒のランを終えたロブ・アデルバーグ選手。前戦の勢いを持って来たいところだが、採点結果はこの日で真ん中ほどに位置する、84.00ポイント。

681本目のランは残り2人。ダニー・トーレス選手は2011年にシリーズチャンピオンを決め、翌年はランキング3位とまとめている、レッドブルエックスファイターズを代表するライダーの1人。見事なコルドバ・フリップをメイク。

69ルーラーのような状態でバイクを大きくフリップさせるメイク。彼は4ストローク350ccマシンに乗り、パワーはあるが質量があるため、これだけ操るのはやはりかなり難しいはずだ。

701本目のランを終え、強く自身をアピールするダニー・トーレス選手。スペインの英雄が大阪でどう暴れるのか注目されたが、点数はやや振るわず85.70ポイント。

71佐藤英吾選手を兄のように慕い、日本人と同じだけのダメージを受けたトーマス・パジェス選手が1本目のランをスタート。この大阪大会への想いは特に深いと思われ、手抜きなしの力強いトリックを次々とキメていく。

72ケーオーディーになると思うが、ヘルメットの位置がまさにフロントフェンダーと触れるほどで、“Kiss of Deth”の本領発揮。彼はこの他にも、スペシャルフリップやボルトという高難易度のトリックを多く持つ。

73ダニー・トーレス選手と採点結果を見守るトーマス・パジェス選手。彼が着るジャージはアルパインスターズが用意した英吾選手スペシャル仕様で、フロントゼッケンのステッカーにも彼への想いが表れている。採点は87.60ポイントと、最高値をマーク。

742本目のランも同じ90秒で行われる。辺りは完全に闇に覆われ、強烈なスポットライトの下、各ライダーが死力を尽くす。鈴木 大助選手もさらなるポイントアップを目指すが、この日は他のライダーも全体的に2本目の数字は1回目を下回った。76.10ポイント。

75マット・レボー選手は1本目より数字を伸ばし、82.80ポイント。しかし、この時点で8位で、翌日のラウンド1(敗者復活戦)で1枠を掛ける事になった。

76アダム・ジョーンズ選手も1本目のランを超えられず、82.80ポイント。ただ、ランク5位でラウンド2へコマを進めた。

77トッド・ポッター選手は1本目のランを大きく下回り、67.00ポイント。結果的に11位と低迷し、彼も翌日のラウンド1に掛ける事に。

78ハビエル・ビレガス選手は大技のケーオーディー・フリップなどをキメ、83.80ポイントと1本目を僅かに上回り、ギリギリの7位枠を獲得。

79再び、東野 貴行選手が登場。相変わらずのシャープなランで86.10ポイントとなり、1本目の結果が採用され堂々の予選2位で通過。

80デビッド・リナルド選手もトップ7を目指し、2本目のラン。見事なケーオーディーなどをキメるも80.70ポイントに留まり、9位で予選を終える。

81予選日の前日には太陽の塔をバックに鈴木 大助選手とセッションを見せてくれたジョシュ・シーハン選手は、2本のランとも振るわず、悔しい12位で予選を終えた。2本目は72.50ポイント。

822本目のランでリーバイ・シャーウッド選手をアクシデントが襲った。ランディングでバランスを崩し、転倒。しかし、すかさず計測ストップの合図を出し時計を止める冷静さ。採点はこの転倒が響き70.30ポイントになったが、1本目のポイントで3位を獲得。

83ロブ・アデルバーグ選手も2本目のランをスタート。高難易度のトリックをミスなくまとめ、83.90ポイントで6位獲得。

842本目のランも攻めて来た、ダニー・トーレス選手。写真のトリックなど、もう名前がわからないほど複雑かつ斬新なコンビネーションで、1本目と揃えた85.70ポイントを出し、4位でラウンド2に進出。

85この日、本当のラストランになったトーマス・パジェス選手。特製ジャージにプリントされた“EIGO SATO”選手とともに飛び、採点は68.40ポイントと振るわなかったが1本目がこの日最高得点で、見事1位を獲得。

86ランを終えたトーマス・パジェス選手は突然テーブルトップ上でバイクを倒したと思ったら、英吾選手の定番パフォーマンスであった力士の真似をしだし、そしてトリック中もずっと腰に着けていた“EIGO”の名前がプリントされた日本国旗を高らかに掲げた。スタンドにいた観客は関係者のみだったが、彼の強い想いは全員に伝わった。

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