掲載日:2013年03月21日 フォトTOPICS
文/春木久史(BIGTANK MAGAZINE) 写真/HIROYASU 取材協力/キング オブ ザ ヒル実行委員会
最近、流行っているスノーバイク(商品名はエクスプローラーとかティンバースレッドなど)のクラスを今年から新設。リアがキャタピラーなので、コンディションに関わらず抜群の走破性。バンクして曲がる感覚がバイクにそっくり。
「雪のゲレンデをバイクで登ろうなんて、一体誰が考えたのか?」。2008年に初めて札幌のスキー場で開催されて以来、毎年開催が続けられ、今年でなんと6回目を数える『キング オブ ザ ヒル』。初回はもちろん知名度も低く「スキー場? そんな所、バイクで走れるの?」というライダーが多かったようですが、最近はすっかり恒例のイベントとなり、今ではバイクだけではなく、ATV、スノーバイク(後輪をキャタピラーに換装したもの)のエントリーも集まるようになり、ますます盛り上がりをみせています。2012年は日高国際スキー場、そして今年は観光地としても有名なルスツリゾートが舞台に。普段は高級リゾート地であるルスツのゲレンデでバイクを走らせるなんて、と思いますが、そんな所をバイクで走れるという非日常な体験も、今年は面白さのひとつに加わりました。
競技方法は至ってシンプルです。本来のゲレンデの終着点にあたる平地をスタート地点として、そこから斜面を登るかたちで数百メートル先のフィニッシュラインに一番早く到着した人が勝ち。雪の積もったゲレンデなのに、スキーと逆の動きをする、この面白さ。誰もフィニッシュまで辿りつけなかった場合は、到達距離が成績となります。この事から分かるように、意外と雪のゲレンデを駆け上がるのは難しいのです。競技の進行は、バイク、ATV、スノーバイクとクラスを3つに分け、まず各クラスで順位を競います。その中から各クラスの優勝者だけを集め、最後に『キング オブ ザ キングス』というファイナルヒートが行なわれ、その年の総合王者が決定します。このファイナルヒートが行なわれるのは、毎年決まって夜。カクテルライトの下でのレースは、このイベントならではの独特の雰囲気でもあり、今年のキング オブ ザ ヒルも最高に盛り上がりました!!
01最近、流行っているスノーバイク(商品名はエクスプローラーとかティンバースレッドなど)のクラスを今年から新設。リアがキャタピラーなので、コンディションに関わらず抜群の走破性。バンクして曲がる感覚がバイクにそっくり。
02バイクではパドルタイヤを装着するのが人気。本来は砂丘でのフリーライディングが目的のタイヤだが、雪の上でも凄いトラクションを発揮する。ただし、コーナーと下りにはとても弱いので要注意!
03イベントのポスター。けっこうカッコイイと思うのだが? 2013年はあともう1回、3月16、17日に日高国際スキー場で開催された。
04フロントタイヤは、スタンダードなものを使用する。レギュレーションによってスパイクタイヤ、チェーンなどの滑り止めの使用は禁止となっている。もっとも、やわらかい雪の上ではスパイクタイヤは全く効果が無い。
052013年2月23日、北海道はまだ雪のハイシーズン。ゲレンデはパウダースノーに近かった。気温も低く、吹雪で視界も悪いというコンディション。
06このイベントの創始者である伊藤聖春さんは、北海道のエンデューロライダーの第一人者。ISDEやBAJA1000、モンゴルなど国内外のエンデューロやラリーで活躍。スノーモービルもA級という凄いライダーなのだ。
07女性の応援が多いのもキング オブ ザ ヒルの特徴。夏場のオフロードレースと違って、ホコリがたたないし、泥で汚れないのも魅力。ただ、ちょっと寒い……。
08ホイールの代わりにキャタピラーを装着した、凄いATV。ほとんどなんでもありっていうノリも面白さのひとつ。
09バイクのミニクラスにエントリーした、ホンダのEZ9というマシン。パワーは無いけれど軽いので、意外に登る。
10フィニッシュラインまでは到達出来なかったけど、見事クラス優勝を獲得した。
11こちらは本格レーサー、ハスクバーナ TE250。4ストローク250ccのエンデューロマシンだ。
12モトクロスタイヤの場合はマディ用、サンド用のパターンがおすすめ。
13ホンダ CRF450Rは、重量バランス的に最強マシンという定評あり。フロントが軽めのバイクがいいのだ。
14パウダースノーはすぐに掘れてしまうのであっという間に雪面が荒れてしまい、思ったよりもテクニックが必要。
15スズキ GSX-Rが独特のかっこいい4気筒サウンドをゲレンデに響かせる。
16吹雪の中、レースは続く。3ヒートの合計成績でクラス別の順位が決定する競技システム。
17全輪駆動のキャタピラースーパーマシンの登場。凄い迫力に注目が集まる。
18スタート地点には金網が敷かれているので、いきなりクラッチを繋ぐとフロントが浮いてしまう。
19パドルタイヤはこんな感じ。たぶん、日本で1番パドルタイヤの保有率が高い都道府県が北海道。
20基本的にはただ真っ直ぐ登るだけ。ドラッグレースみたいで、北海道らしい豪快なレースなのだ。
21激しいクラッチミートで金網がピンチに! みんな盛大にめくってくれるので……。
22キャタピラー仕様のATV、またまた登場。月面作業車に見えなくもない。
23スノーバイククラス。ちょっと今回はアドバンテージがありすぎたかも。次回はスノーバイクを打ち破るスーパーバイクの登場に期待!
24雪のゲレンデをスロットル全開で駆け上がる! ライダーなら一度は挑戦したくなるレースだ。
25カクテルライトを浴びてのレースもかっこいい! 独特の雰囲気だが、れっきとしたバイクレース。
26スノーバイクが来た! アドバンテージがあるとはいえ、コースには深いワダチがたくさんで、真っ直ぐ走るのは難しい。
27全輪キャタピラースーパーマシンが、北海道らしいパウダースノーを巻き上げて……。
28やはり、バイクが一番かっこいい!(ちょっと贔屓)
29今回は雪が柔らかくて、バイククラスはパドルタイヤでも上りきれないライダーがいたほど。
30こんな電飾系のドレスアップも、このキング オブ ザ ヒルの伝統なのだ。面白い!
31スノーバイクはこんな感じでちょっと余裕。でも、クラス別ヒートでは激しいバトルになった。
32寒くても北海道のライダーは熱い!
33表彰式もナイター照明のカクテル光線の中で盛り上がりました。
342014年も開催予定で、冬の恒例イベントとして、もっともっと成長していくに違いない。
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